アップル「iPhone」イベントを振り返る--ついにデビューした「iPhone 4S」 - (page 3)

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年10月07日 07時30分

アップグレードされた内部

 iPhone 4Sの外観はiPhone 4とほぼ同じであるが、より高速なグラフィックス処理を可能にするA5デュアルコアプロセッサを搭載し、背面のカメラも8メガピクセルのものにアップグレードされている。

 Appleはまた、音声認識機能「Siri」のデモンストレーションにもかなりの時間を費やした。同社によれば、この機能はベータテスト段階であるが、発売時には利用可能になるという。

 さらに、iPhone 4Sではアンテナシステムが再設計されており、送信用と受信用の2つのアンテナを切り替えることで通話品質の向上と接続速度の高速化を実現している。2010年にiPhone 4が発売された際は、本体を包む形のスチール製アンテナが回線接続の問題の原因となった。Verizon Wirelessの幹部がかつて語ったように、今回のiPhoneはCDMAとGSM両ネットワークに対応し世界各地で利用可能なグローバルフォンとなるだろう。

 iPhone 4Sには8メガピクセルカメラも搭載されており、Phil Schiller氏によれば、オートフォーカスの軽量カメラと比べても遜色ないものだという。このカメラは取り込む光量が73%多く、33%高速化した上、Schiller氏が言うところの「高性能デジタル一眼レフカメラについての話題で取り上げられるような」ハイブリッド赤外線フィルタを搭載している。

 Appleによれば、iPhone 4Sのバッテリ持続時間は3G通話時で8時間、3Gでのウェブブラウジング時で6時間、Wi-Fiでのウェブブラウジング時で9時間、動画再生時で10時間、音楽再生時で40時間だという。

 今回のプレゼンテーションは、Steve Jobs氏が姿を見せない初のiPhoneのイベントだった。同氏は2011年8月、最高経営責任者(CEO)から退き会長職に就くことを発表した。

 Cook氏のCEOとしてのスタートの成否は、iPhone 4Sが従来機と比べてどれだけスムーズに市場に投入されるか、そしてどれだけ普及してゆくかにかかっているだろう。アクティベーション中のシステムクラッシュや製品製造の遅れ、品不足、そして2010年の「アンテナ問題」など、Appleの過去の取り組みは決して完ぺきだったわけではない。だが、同社はそれらの問題をすべてJobs氏のカリスマで取り繕ってきた。今回の新製品発売にあたり、Cook氏は気を抜く暇はないだろう。

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