--大企業もOffice 365を利用できるため、全体としてのOffice事業の中でユーザーの取り合いが起きるリスクはありますか。大企業が低コストのサブスクリプションモデルに移行できることを考えると、Office 365の価格設定はMicrosoftにとってそれほど都合のいいものではない可能性があります。
DelBene氏:われわれは特定の顧客規模のニーズにぴったり合致する具体的なサービスを開発しました。ユーザーの取り合いという観点ではなく、例えば顧客が50名以下の小規模企業があるのなら、その企業に合わせたサービスを提供しようという観点から開発作業を行いました。もしあなたがリッチなアーカイブ機能を必要とするActive Directory同期を行う大規模顧客なら、われわれはそうしたニーズに合わせたサービスも開発します。われわれは、特定の事業区分にとって並ぶもののないサービスの提供ということに、非常にうまく注力してきたと自負しています。
--しかし、大企業が「Enterprise Agreement(EA)」をOffice 365に変更した場合、それは財務面でMicrosoftにどのような影響を及ぼすのでしょうか。一部のケースでは、変更した方がコストを抑えられますよね。
DelBene氏:総所有コスト(TCO)を考えると、Office 365の方が大企業にとってコストが低くなります。われわれは、法人顧客が現在そうしたサービスに支払っているコストの最大50%を節約できるという話を何度となく耳にしています。さらに、われわれは2010年の終わりころにEAを「クラウド対応」に変更しました。顧客はわれわれとEA契約を結んで、ユーザーの一部、または全員を、希望のスケジュール通りにクラウドに移行させることができます。
--それでは、Office事業全体にはどのような影響があるのでしょうか。このことが原因でOffice事業の売上高が減ってしまうとことは、考えられることでしょうか。
DelBene氏:いいえ。われわれにとって、これは実際には有望なビジネスチャンスです。既存顧客という観点から見て、よいビジネスチャンスです。そして、現在われわれは小中企業の支出の約15%を獲得するために争っていますが、その小中企業という観点から見ても、有望なビジネスチャンスです。その割合を5倍に(増やす)ことができるチャンスなのです。
--多くの企業がGoogle Appsを使い始めています。Googleがこれまで行ってきたことについて、あなたが興味深くて検討に値すると感じたことはありますか。
DelBene氏:われわれは、ユーザーが何を求めているのか、ということをより重視しています。SharePointやExchange、Lyncといった人々に認知され、愛されているサーバベースの機能をリッチなクラウドサービスとして提供することに懸命に力を注いでいます。他社のやっていることを自分たちもやりたいという考え方は避けるようにしています。自分たちは顧客のことを十分に理解していると考えていますし、自分たちが顧客に売り込もうとしているバリュープロポジションも理解しています。
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