--Googleがこの分野に参入してから、それなりの時間が経過しています。それを考えると、Microsoftにとって、なぜ4年前ではなく今がこの分野に本格的に取り組むべきときなのでしょうか。
DelBene氏:実際のところ、われわれは6年前にこの分野への取り組みを開始しています。われわれにとって新しいことではありませんでした。当時でさえ、われわれのすべての法人顧客がオンプレミス製品群のリッチな機能をすべてクラウドサービスとして利用できるのは、顧客にとってより良いバリュープロポジションでした。なぜなら、顧客はそれらのソフトウェアの保守を行う負担から解放されるからです。当時、業界は変化しており、インターネットへの接続性も向上していたので、6年か8年前の時点で、ユーザーは、やがてインターネット経由でわれわれのソフトウェア体験を利用するようになると想像することができました。競合他社の動向に反応しているわけではありません。
--しかし今日のこの分野に対する関心の高さ、そしてあなたがニューヨークでローンチイベントを主催したことは、Office 365がMicrosoftの過去の取り組みよりも1つ上の次元にあることを示唆しています。
DelBene氏:それはその通りです。
--それでは、なぜOffice 365のローンチに適した時期がもっと前ではなく今なのでしょうか。
DelBene氏:開発プロセスが前進したことも理由の1つです。しかし、人々が日常の生活でクラウドを違和感なく利用するようになったこと、そしてクラウドの安全性が向上し、事業用の電子メールやコラボレーション体験がそこで利用するものになっていることも、理由に含まれます。顧客の期待が変化し、クラウドを期待するのも自然なことになりました。
--Office 365の成功の度合いを測定するとき、どのような基準に注目しますか。
DelBene氏:注目する基準はいくつかあります。まず事業面での成功、つまりいかにしてユーザーを増やせるかということが挙げられます。ほかにもいくつかの要素があります。ユーザーはベータ版を試して体験を確認した後、そのサービスに移行するかどうかを決定します。ユーザーはサービスに移行するとき、一気に移行しないことがよくあります。そのユーザーが中規模企業や大規模企業でない場合は、特にそうです。組織の一部を移行させた後で、組織全体を移行させるのです。
われわれは全体のユーザー数や試用版の利用数にも注目します。試用版から有料版への移行は、重要な測定基準になるでしょう。体験自体に関するフィードバックも同様に重視します。われわれの顧客サービスや文書化で改善の必要があるところとなります。
--現在、Officeには10億人以上のユーザーがいます。今から1年後のOffice 365のユーザー数について、具体的な数字は予測していますか。
DelBene氏:実際に数字を見積もることはしていません。法人顧客と話をするとき、私は必ずこのサービスについて話し、そして、一定の期間をかけてこのサービスに移行する計画について話し合います。さらに言うと、私はやがてユーザーの大半がオンプレミスソフトウェアの代わりにオンラインサービスを利用するようになると考えています。
--それはいつ実現すると考えていますか。2年後ですか。それとも5年後ですか。
DelBene氏:その質問はよく受けます。社内でも同じ質問をされます。私は開発チームにこう言います。していることは間違っていないのだから、その日がすぐに訪れるかのごとく振る舞いなさい、と。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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