UPDATE ソフトウェア大手のMicrosoftは米国時間6月28日、最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏がホストを務めたニューヨークでのイベントで「Office 365」を正式発表した。
この新製品でMicrosoftが目指しているのは、広く利用されている同社のデスクトップアプリケーション群や、主に大企業で利用されるサーバ製品に、ウェブ機能をもたらすことだ。Microsoftは、電子メールサーバ「Exchange」およびオンラインコミュニケーション技術「Lync」などの製品をウェブサービスとして提供することにより、IT担当者がいないため従来こうした製品を敬遠してきた中小企業に向けて市場を拡大できると予想している。
Microsoftは、同サービスを自社サーバ上で遠隔からホストすることにより提供し、顧客には月額料金を課金する。通信企業20社以上も、Microsoftと提携し、各社サービスにOffice 365を組み入れて中小企業に販売する。
Ballmer氏は発表イベントで、「Office 365があれば、人々はインスタントメッセージングでいつでも連絡を取り合える。Office 365があれば、人々はファイルや文書を同期させながら協働できる」と述べた。
Office 365は、40カ国において20言語で入手可能だ。
これは、世界で10億人以上が利用している「Office」の重要な機会となる。Officeを最大のソフトウェアとして抱えるMicrosoftのBusiness Divisionは、同社最大の部門で、6月30日締めの会計年度では210億ドル以上を生み出すと予想されている。同部門は12%近く成長するはずだが、対象とする市場はほぼ飽和状態にある。
Officeの一貫した試練は、新しいユーザーを見つけることだ。同社のサーバ製品については、これまで費用や複雑さのために導入できなかった企業が、Office 365により利用可能になる。
「その可能性を想像することは刺激的で、特にITサポートをほとんど持たない、または全く持たない企業にとってはなおさらだ。Officeにクラウド機能がついたOffice 365は、大きな前進だ」(Ballmer氏)
Office 365を使うと、従業員らはオンラインにある1つの「Word」文書について協働でき、各人が閲覧と編集を同時に実行できる。また、「PowerPoint」のプレゼンテーションファイルを共有でき、携帯電話のブラウザから更新できる。さらに、どの受信者がオンライン中かを電子メール内から確認でき、彼らを含むビデオカンファレンスをすぐに開始できる。
Microsoftは、2010年10月にOffice 365の計画を発表し、2011年4月に一般ベータ版を公開した。同社によると、20万人以上の顧客が同サービスを試用し、彼らの一部は技術費用の50%削減を報告しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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