日本マイクロソフトは6月29日、企業向けパブリッククラウドサービス「Microsoft Office 365」の提供を開始した。
Office 365は、Micorosoft Online Servicesで展開されている「Business Productivity Online Suite(BPOS)」の後継サービス。Officeアプリケーションに加え、メール、メッセージングサービスの「Exchange Online」、コラボレーションプラットフォームの「SharePoint Online」、インスタントメッセージング(IM)や映像会議ができる「Lync Online」などを統合して提供する。
マイクロソフトでは、2010年10月に限定ベータ版、2011年4月に公開ベータ版のサービスを提供。トヨタ紡織や毎日放送、三菱ガス化学、メディアワークス・ブルーム、中家製作所などがすでに導入しているという。
サービスは、管理機能を簡略化した小規模向けメニューの「プラン P」が1ユーザーあたり月額600円、数万人規模までをカバーする中~大規模向けメニューの「プラン E」が1ユーザーあたり月額1000円~2860円(250ユーザー以上で段階的なボリュームディスカウント)、店舗や工場向けの機能限定メニューの「プラン K」が1ユーザーあたり月額401円から。
日本独自の期間限定キャンペーンとして、7月31日までに導入したユーザーから抽選で30社に対し、クーポンサイト「くまポン」での手数料およびクーポン販売価格の一部を負担する。また、8月31日までに試用版を登録したユーザーに対しては、アビームコンサルティングによる事業継続簡易アセスメントを提供するという。
同日開催された発表会で、マイクロソフト 業務執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部 本部長のRoan Kang氏は、BPOSの利用企業および組織がこの1年で4倍となり、パートナー数についてもスタート時の30社から700社まで拡大したと説明。中でも日本での利用企業数は5倍に成長していると説明。
加えて、東日本大震災の影響もあって電力不足やデータバックアップなどの影響から、遠隔地や自宅での勤務のニーズが高まっていることを説明。マイクロソフトでも「ICTキャラバン隊」を組織し、Exchange OnlineやSharePoint Onlineを活用して災害ボランティアセンターの支援をしてきたと語った。
Office 365は数人規模の個人商店から数万人規模の大企業まで、幅広い環境での利用を想定するが、今回の発表会で特に強調されたのは中小企業(SMB)での利用だ。米Microsoft オフィスプロダクトマネジメントグループ担当 コーポレートバイスプレジデントの沼本健氏は「世界(の企業)における中小企業の割合は3分の2で15億人。エコノミーのエンジンとなっている。彼らが多大な初期投資や複雑な管理を必要とせずにコラボレーションを実現するのにうってつけ」とOffice 365の強みをアピールする。
発表会には、導入企業の代表としてメディアワークス・ブルーム 代表取締役の武田成克氏が登壇。導入1カ月ながら、経営の高速化の実現で「評価できる」とコメント。東日本大震災の際に導入していれば、自宅待機などで業務が滞っていた状況を解決できたのではないかとした。
また、パートナー企業として、NTTコミュニケーションズ、大塚商会、リコージャパンの3社が登壇。それぞれ既存サービスとOffice 365の連携サービスを提供する旨が発表された。あわせてマイクロソフトでは、パートナーのソリューションなどを紹介する「Microsoft Office 365 Marketplace」を公開している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス