2週間前のIPv6テストが比較的円滑に推移したことに安心して、一部のウェブサイトは次世代インターネット技術のIPv6環境でサーバを稼働させ続けている。
そして、超満員のインターネットにとって、それは良い知らせである。「World IPv6 Day」と呼ばれた同テストの結果は、テスト参加を見合わせたウェブサイトによるIPv6へのアップグレードの実施を後押しするかもしれない。
同テストでは、複数の組織が自らのサーバをIPv6接続に対応させたと発表した。つまり、IPv6を使ったインターネット接続が可能なユーザーは、通常のIPv4版ではなくIPv6版のサーバにアクセスするようになっていた。
ネットワーク機器を手がけるJuniper Networksのソフトウェアエンジニアリング担当ディレクターで、かつてComcastとSun MicrosystemsでIPv6担当のリーダーを務めた経験も持つAlain Durand氏は、「悪いことが何も起こらなかったので、大きな安堵感を覚えている。IPv6が導入可能な成熟した技術になったということには重要な意味がある」と述べた。
IPv6は現行のIPv4技術で発生した重大な制約、すなわちデバイスがインターネット上で情報のやり取りをするのに必要な新しいIPアドレスの枯渇を解決する。
ごく一部の人々(いくつかの試算によると、全体の0.1%足らず)は、IPv6サイトへのアクセスが遮断されるというネットワーク構成上の問題を抱えている。しかし、今回のテスト結果が上々だったため、IPv6は広く普及するだろう。
例えば、GoogleはメインのYouTube.comサイトをIPv6上で提供し続けるという決定を下している。Facebookは、同社のFacebook開発者サイトのIPv6版を今後も提供し続けることに決めた。また、IPアドレスの割り当てを行う欧州の組織であるRIPEが発表したデータによると、SprintやMozilla、BBN Technologiesなど、少なくとも当面はIPv6サービスの提供を続けるという企業がほかにもあるという。
米国最大手のインターネットサービスプロバイダー(ISP)の1つであるComcastも今回のテストに参加した。同社はIPv6に関連した顧客向けの独自のトライアルも規模を広げている。6月に入ってから、IPv6ベースの電子メールサービスのテストを開始し、IPv6トライアルの対象地域をサンフランシスコとシカゴ、フィラデルフィア、およびフロリダ州ミラマーに拡大した。
また、ユーザーが問題に直面した際の解決をサポートするため、MicrosoftとAppleは新たなヘルプページの提供を開始した。消費者向けネットワーク機器メーカーのD-Linkも、IPv6に関するトラブルシューティングを提供している。
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