そうした現状を改善するため、さまざまなアプローチが試みられている。IPv4およびIPv6の両方と通信可能な「デュアルスタック」機器が究極的なソリューションだが、実現までの間、両技術を併用するためにTeredoや6RD、6to4、6in4、DS-liteといった多様なアプローチが運用されている。Teredoは予備テストを行う個人ユーザーに適しているが、6RDはフランスのISPのFree.frが証明したように、よりスケールの大きい機能を備えており、影響力を増しているようだ。
IPテストを実施するIxiaでプロダクトマネージャーを務めるDaisy Sun氏は、「6RDはIPv6移行前とその期間中に重要な役割を果たすIPv6移行テクノロジである」と述べた。
移行が完了するまでには何年もかかるだろう。
「今すぐにIPv4を捨て去ることはできない。同技術は今後5年、10年、15年と使われ続けるだろう。もっと長くなるかもしれない」(Durand氏)
IPv6へ至る道は平坦ではなかった。IPv6という規格は10年以上前から存在していた。今回、IPv6技術において重大な利害関係を共有する複数の組織が、停滞状態を打破しようとIPv6 Dayを企画した。
それはGoogleや米Yahoo、Facebookといった主要ウェブサイト、そしてAkamaiやLimelight Networksなどのコンテンツ配信ネットワークとともに始まった。最初の3つのウェブサイトはネットユーザーが消費するコンテンツを大量に保有している。そして、後の2つのコンテンツ配信ネットワークは、1つのインターネットサイト上にあるデータを世界中で利用できるようにする作業を担っており、ネット上で重要な役割を果たしている。World IPv6 Dayの準備を進めたのは、権利擁護および標準化団体のInternet Societyだ。
参加する組織や個人は1000以上にふくれあがった。ネット上の企業や学校、政府、個人などのごく一部にすぎないとはいえ、それでも盛況であった。一部のユーザーが遭遇するかもしれない困難を和らげるため、多くの参加者はWorld IPv6 Dayに先だってインターネットユーザーをIPv6対応状況テスト用サイトへ誘導していた。
そして6月8日午前9時からの24時間(日本時間)、多くの参加者はIPv6サービスを有効にした。一部の参加者は過去にIPv6サービスを提供した経験があるが、それはipv6.google.comのようなIPv6専用ドメイン上でのことだった。今回のテストでは、google.com自体がIPv6上で利用可能になった。
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