次世代インターネットアドレス規格「IPv6」に基づく広大なアドレス空間への移行に当たって生じる問題に対処するため、大手ウェブサイトなどの協力により、6月8日を「World IPv6 Day」として大規模なIPv6接続テストが実施される。Microsoftの検索エンジン「Bing」もこのテストに参加することを表明した。
Bing担当のプログラムマネージャーであるKevin Boske氏は、次のように述べている。「当社は6月8日、24時間のテストを目的として世界中からIPv6を使ってBing.comに接続できるようにする。IPv6接続が可能なユーザーは、自動的に新しい接続方法を利用することになる。これには、IPv6対応機器(『Windows 7』搭載PCなど)と、利用するインターネットプロバイダーがIPv6をサポートしていることの両方が必要だ」
インターネットアドレスを管理するInternet Corporation For Assigned Names and Numbers(ICANN)は米国時間2月3日、最後の在庫分となるIPv4アドレスの割り振りを終了したと発表したが、このことが事態の緊急性に拍車をかけた。こうしたアドレスの割り当てを受ける側の企業でIPv4アドレスが枯渇するまでにはまだ数カ月の余裕があるが、それでも時間切れは迫っている。
FacebookやGoogleなどの一部の企業は、すでに自社サービスへのIPv6接続を提供しているが、ipv6.google.comといったIPv6専用ドメインでのみ対応しているところがほとんどだ。World IPv6 DayにはメインのドメインでもIPv6接続が可能になる。
今回のテストは、大部分のユーザーにとっては大した問題ではない。IPv4を利用していれば同じウェブサイトのIPv4対応版を見ることになり、IPv6を利用していればIPv6経由でコンテンツを見ることになるというだけだ。しかし、米YahooとGoogleは、設定に問題のあるごく一部のIPv6ユーザーがウェブサイトを利用できなくなると警告を発していた。World IPv6 Dayの目的は、IPv6への大規模な移行の前にそうした問題点を追跡して修正することだ。
IPv6への移行にはコストがかかり、多くのIT管理者にとって即座に得られるメリットがないこともあって、ここ数年、移行は遅々として進んでいない。複数の機器で1つのIPアドレスを共有できるようにするアドレス変換といった安価な対応策も登場している。
しかし、こうした手法はインターネットを断片化させる恐れがあり、すべての機器をネットワーク上で平等に扱うことが困難になる。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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