さて、iPad 2の1つのウリとなるアクセサリがSmart Coverだ。ポリウレタンあるいはイタリア製レザー素材でディスプレイを保護するもので、暖簾、もしくは風呂のフタのようなケースである。8.8mmという薄さを楽しみながらカバンに入れるときに画面を保護したい──そんな用途にもってこいのアクセサリと言える。
Smart Coverの端にはヒンジのような機構が付いており、ここに磁石が仕込まれている。ボリュームボタンやスライドスイッチなどがないサイドの長辺にこのヒンジを近づけると、「カチャ」と音を立てて吸い付く。このとき、雑に近づけても位置決めまでばっちりと決まるから不思議だ。この状態でカバーだけ引っ張っても本体から外れない力で吸い付いている。
そして四つ折りのカバーを画面の上にパタパタとかぶせていくのだが、最後の一折りを画面にかぶせる瞬間、今度は画面ロックの「カチャ」という音がiPad 2本体のスピーカーから聞こえ、ディスプレイが消灯する。Smart Coverをめくるとすぐに画面が点灯する。どうやらカバーのヒンジだけでなくもう一方の端にも磁石が仕込まれおり、iPad 2本体がこれを検知してディスプレイを消灯させているようだ。なお、iOS 4.3からSmart Coverによる画面ロックのON/OFFを制御できる。
Smart Coverの役割はこれだけではない。折りたたんで三角柱を作ると、これがタイピングや動画・写真観賞用のスタンドに早変わりするのだ。これも磁石で固定されるため、使っている間にぺたんと崩れたりはしない。よくできているが、カバンの中で磁気カードとはあまり近づけない方がよさそうだ。
なお5色のレザーは、カラーや素材感ともに非常に質の高いものが使われていた。このあたりにもAppleのこだわりが感じられる。
本稿では、特にデザインに関するハードウエア的なファーストインプレッションについて触れてきた。
冒頭で、iPadで1年間育んできたAppleのタブレット市場における優位性として、Apple Storeで多くの人に触れてもらえること、6万5000本を超えるアプリがすでにあること、そしてマーケットの中ですでに1年間ユーザーがタブレットを使ってきたことを挙げた。
AppleはiPad 2によって、その圧倒的な薄さとSmart Coverのアイデアによる、デザインの魅力を追加したように感じている。これはAppleらしい、なかなか他のメーカーにはマネできない提案であり、やはりタブレットを1年間販売してきたフィードバックをよく心得ている。
では、ハードウェア性能に加えてソフトウェアの真価も問われる、ブラウザやカメラなどの新しい標準アプリ、そして「iMovie」や「GarageBand」などはどうなっているだろうか。これについては、次回ご紹介したい。
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