より薄く、速く、軽くなり、ホワイトモデルが追加された「iPad 2」がAppleから登場した。ただし、初代モデルからの変更点は小幅にとどまっている。価格も下は16GバイトのWi-Fiのみモデル(499ドル)から、上は3G通信がついた64Gバイトモデル(AT&TまたはVerizon、契約の縛りなしで829ドル)まで、初代と同じだ。
新機能を控えめにしたことについて、安易に走ったとAppleを責めることはできない。Apple流の味付けが施された初代iPadは、これ1機種で2010年のタブレット需要を作り出し、獲得した。あらゆる観点から見て、修正が必要な製品ではない。市場シェアを確保して開発者を引きつけており、勢いもある。
また、Appleの製品開発の巧みさには定評がある。筆者はiPad 2を数分触ってみたが、初代とまったく同様に驚くほど魅力的だと断言できる。触れてみてまず感動したのは、軽くなった点だ。それでも「Kindle」ほど薄くはないが、軽量化されたデザインは電子書籍好きにはうれしいだろう。また、最近発表された「MOTOROLA XOOM」などのライバル機と比較しても厚みがなく、これは明確なアドバンテージになるはずだ。
次に印象的だったのは持った時の感触だ。背面は、引き続き陽極酸化アルミが使われており、手触りがよく汚れがつきにくい。そして、新機種では背面が平らになったのでテーブルに置いた時の座りもよくなっている。薄さは3分の2になったが、初代のデザインと比較しても堅牢さは失われていない印象だ。それどころが、重量が軽くなったぶん、落下時に傷つく恐れは少なくなったようにも感じられる。
マグネット式の新しい純正カバー「Smart Cover」も試してみた。魅力的で、宣伝通りの機能も備わっている。だが、ケースという観点から見ると、みんなが体全体を覆うツナギを着ている中にパンツ一丁で乗り込んだような違和感がある。売り込む上で難しいのは、iPad 2の背面には通常の使用ならば問題ない程度の耐久性があると、ユーザーに納得させることだろう。
もちろん、iPad 2の最大の売りは、新たに搭載された2つのカメラで、どちらも写真と動画の撮影に対応している。背面カメラは右上隅にあり、レンズ部分に傷がつくのを防ぐため、リング状の縁取りの中に引っ込んだ形で組み込まれている。レンズは「iPhone 4」の背面カメラに似た外観で、720pのHDビデオ撮影ができる点も同じだ。ただしフラッシュはなく、センサーもiPhoneと全く同一ではない。iPad 2の写真撮影機能は、簡単に言うと動画から静止画像を切り取って使っている(第4世代の「iPod touch」と似た考え方だ)。とはいえ、この1年間に多くのライバル製品のカメラをテストしてきた筆者は、人前でタブレットのカメラを使って写真を撮影することがどれほどこっけいに感じられるか、身に染みてわかっている。ものには限度があるということだ。
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