しかし、文化という点でNokiaとMicrosoftは大きく異なる。Nokiaはフィンランドの誇りだ。同社の元幹部は、同社が150年の歴史で初めてのフィンランド人以外のCEOとして米国人ではなくカナダ人を選んだことは非常に印象的だったと語る。Microsoftのような米国の巨大企業に買収されるというのは、Nokiaの青色の血が流れていると言う多くの社員にとって、受け入れがたいことかもしれない。
また、Nokiaの評価額という問題もある。Nokiaの時価総額は約400億ドルだ。投資家たちは今回の提携の発表に否定的な反応を示した。このことは、合併はウォール街にとってさらに魅力の薄いものだということを表しているのかもしれない。Nokiaが提携の結果として発表した今後1年間の財務見通しが中途半端な内容だったことも、プラスにはならなかった。Nokiaは11日午前のプレスリリースで、「2011年と2012年は、Microsoftと計画した魅力的なエコシステム構築への投資を行うため、移行期間と見なしている」と述べている。その後の将来的な成長に関するNokiaの予測は、よく言っても曖昧な内容だ。
11日午前の提携発表を受けて、Nokiaの株価はフィンランドのヘルシンキ証券取引所で約12%下落した。同社株式は米国で午前中を通して大量に取引され、株価は下落した。
アナリストたちは、Nokiaがソフトウェアメーカーになろうとするのをあきらめて、クールな携帯電話の開発に専念することを望んでいた。しかし、仮にAndroidとの提携が発表されていたら、アナリストはそちらの方を歓迎していただろう。ほかのハンドセットメーカーはAndroidの戦略で成功を収めている。
もちろん、克服すべき過去もある。Elop氏とBallmer氏は、自社の製品群が互いの製品を補うものだと主張している。しかし、多くの人はNokiaとMicrosoftを、独力でスマートフォン市場に割って入ろうとして失敗した時代遅れの巨大企業と見なしている。両社に共通する問題は、急速に進化する市場で計画を実行に移せないことだ。
したがって、両社が協力することで(戦略的な提携であれ、合併した1つの企業であれ)、GoogleやAppleと動きの速い競争をしていく姿は想像しがたい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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