「iPad」と「Mac」--販売台数逆転から考えるアップルのビジネスモデル - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2011年01月27日 07時30分

 数週間前に開設された「Mac App Store」は、明らかに同じ役割を果たすように設計されている。つまり、Macユーザーがデジタル商品により多くのお金を使うためのプラットフォームだ。

Appleに不安はなし

 金融アナリストは、ユーザーがMacの代わりにiPadを購入するようになったら何が起きるのか心配しているかもしれないが、Appleはそうではないようだ。Appleの最高執行責任者(COO)で最高経営責任者(CEO)代理も兼任するTim Cook氏は先週、決算発表の電話会議でアナリストの質問を受けて、「共食いについて考えることは1分たりともない」と主張した。

 共食いは、フルサイズのメディアタブレットも製造している多くのPCメーカーが心配すべき問題なのかもしれない。Gartnerの北川美佳子氏によると、2014年までにPC市場の10%程度が「メディアタブレットに浸食される」という。

 タブレットは、従来型PCの市場を完全に奪うことはないが、よく売れるだろうと北川氏は話す。Apple以外のメーカーが製造するタブレットには、iPadのようにコンテンツ販売を促す補完的なデジタルプラットフォームがないかもしれない。もちろん、一部のタブレットは「Android Market」に対応するだろうが、そこで発生する利益はGoogleと開発者のものになる。

 さらにCook氏は、初期のiPodがMacの販売に与えた影響と同じものを、iPad(とiPhone)に期待しているという。iPodによってMacの売り上げが増加した。当時、Macを一度も使ったことのないような人々が、iPodを購入するためにApple Storeを訪れ、Macを試用した。

鍵を握るiTunes

 しかし、Appleは徐々にコモディティ化されていく製品に関して、いつまで高い利幅を維持できるのだろうか。これはもっともな疑問だ。時間がたつにつれて、ハードウェア自体の販売で得られる利幅は小さくなっていく。そして、競合他社も同様の製品を安い値段で製造できるようになる。HPやDellが販売している「MacBook Pro」にそっくりの製品や、今日売られているほとんどのMP3プレーヤーを見ればそれが分かるだろう。

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