今や誰もが同意するところだが、「iPad」によってAppleの製品ラインはより強固なものになった。
Appleの動向を注視している人の多くは、同社の売上高が非常に高くなると予測していたが、先週発表されたように、Appleが2010年の最後の3カ月間で733万台ものiPadを販売すると予測した人はいなかった。これは同時期の「Mac」の販売台数の約2倍である。両製品が市場に登場してからの期間を考慮すると、驚くべき偉業と言える。iPadが米国で発売されたのは2010年4月だったのに対し、Macは25年以上も前から作られている。
しかし、販売台数ではiPadの方が多いとはいえ、全体の売り上げではMacがiPadを上回っている。デスクトップとノートブックの売上高は54億ドルなのに対し、iPadの売上高は46億ドルだ。だが、もの凄い速さで物事が移り変わっていることと、数カ月以内に第2世代iPadが発表される見通しであることを考えると、非常に近い将来にAppleがMacよりもiPadで多くの売り上げを得るようになることは想像に難くない。
ここで厄介な疑問が浮ぶ。仮にiPadの売り上げが何らかの理由でMacの売り上げを浸食するようになるとしたら、それはAppleにとって良いことなのだろうか。
平均的な消費者向け電子製品企業の場合なら、かなり憂慮すべき事態かもしれない。なぜなら、Macは多くのハイエンドPCの競合製品と同様に、iPadよりもはるかに利益の大きい製品だからだ。全体としてMacの販売価格(999ドル以上)は現在のiPadの販売価格(499〜829ドル)よりも高い。
Piper JaffrayのアナリストであるGene Munster氏の試算によると、iPadの粗利益率は25%なのに対し、Macの粗利益率は40%だという(つまり、これはAppleが設定するデバイスの販売価格とデバイスの実際の製造コストの差額を、デバイスの販売価格で割った数字だ)。粗利益率は、研究開発費、マーケティング費、間接費など、ハードウェア以外の隠れたコストが考慮されていないため、製品の利益を計算する上で完璧な方法ではない。しかし、デバイスからどの程度の利益を得られるのかを測る上で、優れた指標の1つではある。
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