WebMは普及しつつある。例えば、Rockchipのスマートフォン向けチップでサポートされることが先週発表されている。ハードウェアデコードを行うと、コンピュータデバイスでのWebMのデコードを、急激にバッテリを使い果たすことなく、高速で行えるようになる。また、AdobeはFlash Playerの将来のバージョンでVP8をサポートすることを約束している。
こうした動きから、Googleが独自ブラウザの構築を通じて、ウェブ開発の世界で獲得してきた役割に注目が集まっている。Chromeは、調査会社Net Applicationsによると現在の世界全体でのブラウザ利用の約10%を占めており、Googleがウェブにおける同社の計画を推し進めるための原動力になっている。
そこで重要な要素の1つとなるのがスピードだ。高速なページ読み込み、高速なグラフィックス、高速な暗号化、高速なJavaScriptなどは、ウェブでのアクティビティを広げるのに役に立つ。しかしGoogleは、3Dグラフィックス用の「WebGL」や、オフラインデータストレージ用の「Web SQL」「Indexed DB」、HTML5動画用のWebMなど、支持している規格を前進させるためにChromeを使う場合がかなり多い。
YouTubeなどのウェブデベロッパーの中には、HTML5動画をサポートし始めているところもある。しかし、HTML5は特定のコーデックの問題については何も言えないこと、さらにブラウザサポートは期待できないことから、ウェブデベロッパーは一般的に、現在使用されているコンピュータの多くにインストールされているFlashに頼っている。ただし、これはモバイル端末には当てはまらない。
Adobeは、メモリが少なく、プロセッサの性能は低く、バッテリに制約のあるスマートフォンに合わせて、Flashを設計し直そうとしている。しかし、独自のテクノロジ計画を推進するAppleは、そうしたAdobeの取り組みをよそに、依然としてFlashを「iPhone」や「iPad」に搭載していない。iPhoneとiPadは、直接H.264でエンコードされた動画を使用している。
Appleが2010年にFlashに対して極端な強硬姿勢を取るようになってから、AdobeはGoogleの主要な協力者となった。GoogleはAdobeのモバイル向けFlashの計画を強力に推進しており、Flash PlayerをChromeに直接組み込んでいる。一方Adobeは、FlashへのVP8搭載を決めて、WebMを強く後押ししている。
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