VLSI ResearchのCEO兼会長であるDan Hutcheson氏は、Intelの投資は「言葉ではなく、実際のお金による米国への信任投票である。同社は米国内に素晴らしいインフラストラクチャを有している。スキルセットも既に整っているため、開発する必要がない」と述べる。
Intelの数十億ドル規模の工場は、下請けとなる業者やサービスなど、数多くのビジネスを生みだし、それが雇用創出という好循環につながる。Intelが複数の製造工場を有するアリゾナ州の場合、工場運営の結果創出された2万人以上の雇用を含め、同社は26億ドル以上の経済効果をもたらしている。そして、これはアリゾナ州だけの数字である。Intelによると、こうした好影響は程度の差こそあれ、ニューメキシコ州やオレゴン州でも見られるという。
逆に言うと、企業が生産を海外に移転すると、そうした好循環は国外に移ってしまう。Grove氏は、米国の多くのコンピュータおよびデバイス企業の製品を作っている中国の巨大製造企業Foxconnに言及し、「Foxconnでは100万人が製造に従事している」と述べた。
「Foxconnの従業員数の急激な増加を見てほしい。かつてFoxconnの従業員はほとんどいなかったが、この10年間で同社は急成長を遂げた」(Grove氏)
では、Foxconnの顧客は誰なのだろうか。AppleはForm 10-Kで述べているように、数多くの人気製品をFoxconnのような中国に拠点を置く製造企業で作っている。「独占契約を結んだ中国のサードパーティーベンダーが、実質的にAppleの『Mac』『iPhone』『iPad』『iPod』のすべてについて、最終的な組み立てを行っている」(Grove氏)
Appleは、米国内で開発を行うことと、開発したものを米国外で結実させることの違いを示している。AppleのCEOであるSteve Jobs氏は、同社の第4四半期決算の電話会議で、Appleが開発しているものに関して詳細に語った。「Appleは独自の『A4』チップ、独自のソフトウェア、独自のバッテリケミストリ、独自のエンクロージャなど、あらゆるものを独自開発している」とJobs氏は言う。また同氏は、電話会議の後半で次のように述べている。「われわれはそれらの大半を自社で設計している。内蔵のA4チップはAppleが開発したものだ。われわれは自社独自のコンポーネントの多くを開発している」
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