Mozilla Foundationは、Googleが先日リリースした動画テクノロジVP8を、ウェブ動画の仕様の一部に組み込もうとしている。
Mozilla Corporationの最高経営責任者(CEO)であるJohn Lilly氏は、World Wide Web Consortium(W3C)のウェブベース動画の仕様にVP8が組み込まれるかどうかを尋ねられて、「そう願っている」と答えた。「VP8がHTML5標準で仕様化されることを望んでいる。仕様になれば、ほかの関係者から、より大きな支持を得られるようになる」(Lilly氏)
VP8をHTML標準の一部にすることは、ブラウザ開発者とウェブ開発者に同テクノロジの使用を奨励して、同テクノロジの未来をより明るいものにするのに寄与するだろう。また、今日のJPEG画像と同じくらい簡単に追加できる動画をウェブ上で増やしていくことにもなるかもしれない。しかし障害もある。特許権に関する懸念や、競合コーデックH.264への支持を表明したブラウザメーカーを引き入れる必要もある。
ウェブページの記述に使われるHTML標準の新版であるHTML5には、Adobe Systemsの「Flash Player」のようなプラグインに依存することなく、動画をウェブページに簡単に追加できるタグが含まれている。しかし、どの動画コーデックが最良なのかについてブラウザメーカーの考えが一致していないため、HTML5は現在、どの動画テクノロジも仕様化していない。つまり、HTML5を使って自分のサイトに動画を組み込もうとしているウェブ開発者は、すべてのブラウザに対応したければ、複数の異なる動画フォーマットをサポートする必要がある。
これまで、主要な動画エンコーディングおよびデコーディングテクノロジは、AppleとMicrosoftが支持するH.264、MozillaとOperaが支持するOgg Theoraの2つだけだった。その後、GoogleがVP8コーデックをリリースした。VP8はWebMテクノロジの一部であり、このWebMには音声用としてOgg Vorbisも含まれている。VP8はあらゆる点でOgg Theoraに勝っており、動画コーデックとしてH.264よりはるかに優れているほか、ロイヤリティーフリーで、オープンソースとして利用することも可能だ。
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