Google、Microsoft、AT&Tなどの企業に加え、リベラル派と保守派の擁護団体が参加する大規模な連合が、米国時間3月30日、モバイルユーザーやクラウドコンピューティングユーザーを保護するために、米国のプライバシー法の改正を求める重要な要望を発表した。
同連合は、1986年の法律(電話回線モデムや白黒表示の「Macintosh Plus」など、インターネット登場前の時代にできた法律)を、位置情報に関するプライバシーや、「Google Docs」「Flickr」「Picasa」などのサービスを通じてウェブ上に保管されるドキュメントにも適用できる形に改正するよう、米国議会を説得したい考え。
米電気通信プライバシー法(Electronic Communications Privacy Act:ECPA)は複雑で分かりづらいことで有名であり、裁判官でさえ理解するのが難しいとされている。連合は、条文を簡潔な表現にするとともに、プライベートな情報通信やモバイルデバイスの位置情報にアクセスする際は警察に捜索令状の取得を義務付けることを要求している。現在は、このような情報へのアクセスに令状が取られないケースもある。
現行法の下では、インターネット利用者がデータをローカルに保存している場合の方がプライバシーの権利に恵まれているため、一部の企業は、法的な問題が解消されなければ、クラウドベースのサービスへの移行が遅れるのではないかと不安を抱いている。「ECPAに関する大きな問題点は、クラウドコンピューティングを利用すると不利な立場に置かれるということだ」。ワシントンD.C.のZwillinger GenetskiのパートナーMarc Zwillinger氏はこのように語る。同氏は、データプライバシー法を専門とし、連合に法律に関する助言を行っている。
30日に発表された連合の異例な点は、AOL、Loopt、Salesforce.comなど、場合によっては競合となる企業が参加していることだ。また、同連合に加わった非営利団体も、政治的見解は大きく異なっている。署名しているのは、米自由人権協会(American Civil Liberties Union:ACLU)、米税制改革協議会(Americans for Tax Reform)、民主主義と技術のためのセンター(Center for Democracy and Technology:CDT)、進歩と自由基金(Progress and Freedom Foundation:PFF)、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation:EFF)、政府の浪費に反対する市民の会(Citizens Against Government Waste)など。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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