「IE9」プラットフォームプレビューに見るMSの決意--推し進めるウェブ標準への準拠 - (page 3)

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年03月19日 07時30分

 Hachamovitch氏は、IE9は「HTML5を徹底的に」サポートし、さらにCSS3やSVG 1.1画像のインライン表示もサポートすると述べた。同氏は、H.264でエンコードされたHTML5ビデオのデモを披露し、SVGのサポートにより、地図などのグラフィックスは格段に洗練されると語った。

 Microsoftは2009年11月にIE9技術を披露した際、「Acid3」テストでIEの成績が低かったことを隠さなかった。このテストは、さまざまな標準や技術にどれだけ順守しているかを調べるものだ。IE8のスコアは100点満点中20点だが、IE技術は11月に32点に達し、IE9 Platform Previewでは55点まで上がった。Microsoftはまた、このテストは不完全だと繰り返し語り、ブログの記事にも次のように付け加えた。「ウェブ標準に対するわれわれのアプローチの重要な部分は、業界標準テストスイートの開発だ。Microsoftは現在、W3Cに対し、HTML5、CSS3、DOM(ウェブページの構造)、SVGについて、100を超える追加のテストを提出している」。W3Cは、HTMLをはじめとするさまざまなウェブ標準を監督している。

新しいJavaScriptエンジン

 IE9のもう1つの主な要素は、新しいJavaScriptエンジンだ。ウェブベースのプログラムを動作させるJavaScriptエンジンとしては、Chromeには「V8」が、「Opera 10.5」には「Futhark」が、「Safari」には「Nitro」が、そしてFirefoxには新しい「JaegerMonkey」がある。

 そしてついに、IEも独自の名前のついたJavaScriptエンジンを搭載する。「Chakra」だ。MicrosoftがJavaScriptベンチマーク「SunSpider」で行ったテストでは、IE9 Platform Previewは、(以前のTraceMonkeyエンジンを使用した)Firefoxより若干速く、Safari、Chrome、Operaより若干遅かった。

 このランキングでIEが正確にどこに位置したかという細かなことは、IE8やそれ以前のバージョンとの比較と比べれば、さほど重要ではない。旧バージョンはJavaScriptの動作がかなり遅い。

 Hachamovitch氏が誇りとする、JavaScriptエンジンにおける大きな変更点の1つは、マルチコアのサポートだ。ウェブページがロードされるとすぐに、Chakraは1つのプロセッシングコアに、JavaScriptをコンピュータのプロセッサのネイティブ言語で書かれた速いコードにバックグラウンドでコンパイルするタスクを割り当てる。

 IE9は、JavaScriptベンチマーク「SunSpider」テストで競合ブラウザに迫る力を見せた。 IE9は、JavaScriptベンチマーク「SunSpider」テストで競合ブラウザに迫る力を見せた。
提供:Microsoft

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