Hachamovitch氏は、IE9は「HTML5を徹底的に」サポートし、さらにCSS3やSVG 1.1画像のインライン表示もサポートすると述べた。同氏は、H.264でエンコードされたHTML5ビデオのデモを披露し、SVGのサポートにより、地図などのグラフィックスは格段に洗練されると語った。
Microsoftは2009年11月にIE9技術を披露した際、「Acid3」テストでIEの成績が低かったことを隠さなかった。このテストは、さまざまな標準や技術にどれだけ順守しているかを調べるものだ。IE8のスコアは100点満点中20点だが、IE技術は11月に32点に達し、IE9 Platform Previewでは55点まで上がった。Microsoftはまた、このテストは不完全だと繰り返し語り、ブログの記事にも次のように付け加えた。「ウェブ標準に対するわれわれのアプローチの重要な部分は、業界標準テストスイートの開発だ。Microsoftは現在、W3Cに対し、HTML5、CSS3、DOM(ウェブページの構造)、SVGについて、100を超える追加のテストを提出している」。W3Cは、HTMLをはじめとするさまざまなウェブ標準を監督している。
IE9のもう1つの主な要素は、新しいJavaScriptエンジンだ。ウェブベースのプログラムを動作させるJavaScriptエンジンとしては、Chromeには「V8」が、「Opera 10.5」には「Futhark」が、「Safari」には「Nitro」が、そしてFirefoxには新しい「JaegerMonkey」がある。
そしてついに、IEも独自の名前のついたJavaScriptエンジンを搭載する。「Chakra」だ。MicrosoftがJavaScriptベンチマーク「SunSpider」で行ったテストでは、IE9 Platform Previewは、(以前のTraceMonkeyエンジンを使用した)Firefoxより若干速く、Safari、Chrome、Operaより若干遅かった。
このランキングでIEが正確にどこに位置したかという細かなことは、IE8やそれ以前のバージョンとの比較と比べれば、さほど重要ではない。旧バージョンはJavaScriptの動作がかなり遅い。
Hachamovitch氏が誇りとする、JavaScriptエンジンにおける大きな変更点の1つは、マルチコアのサポートだ。ウェブページがロードされるとすぐに、Chakraは1つのプロセッシングコアに、JavaScriptをコンピュータのプロセッサのネイティブ言語で書かれた速いコードにバックグラウンドでコンパイルするタスクを割り当てる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス