Hachamovitch氏はこれを、他のブラウザのジャストインタイム(JIT)コンパイル方式と区別している。同氏はJITコンパイル方式を、ウェブページの表示を遅らせることなくコードをうまく最適化するバランスが難しいと批判する。
JavaScriptをより充実したプログラミング基盤とするための取り組みは他にもある。JavaScriptにバックグラウンド処理タスクを実行させる「Web Workers」標準もその1つだ。しかしMicrosoftは、新しいプログラミング手法を要求せずに、できるだけウェブを改善したいと考えている。
Hachamovitch氏によれば、Chakraのアプローチでは、「開発者は各自のマークアップを変更する必要はない。ウェブページを変更する必要はない。本質的に、デュアルコアやクアッドコアのマシンをうまく利用することになる」という。
Microsoftは既に、IE9が「Direct2D」と「DirectWrite」を採用していることを披露している。これらは「Windows Vista」および「Windows 7」のインターフェースで、グラフィックスとテキストを高速化する。MIXにおけるHachamovitch氏のデモでは、この技術がSVGグラフィックスの高速化にも役立っていることが示された。
IE9 Platform Preview自体も1つの変化だ。Microsoftはこれまで、もっと完成された製品を一般に配布してきた。同社は今回、開発のより早い段階でフィードバックを得ようとしている。そして、幅広い要素に対するコメントをはっきりと求めている。
Hachamovitch氏はブログで次のように書いている。「ここで広く意見を求める主要な技術は、HTML5、CSS3、DOM、SVGだ。IE9のテストドライブサイトに、より詳細な仕様とサンプルを掲載している。現時点では、HTML5のパース規則の実装、Selection API、XHTMLのサポート、SVGのインライン表示に対する開発者のフィードバックを求めている。CSS3に関しては、Selectors、Namespaces、Color、Values、Backgrounds and Borders、Fontsに対するIE9のサポートについて、開発者のフィードバックを求めている。DOMに関しては、Core、Events、Style、Rangeに対するIE9のサポートについて、開発者のフィードバックを求めている」
いかにもアルファベットばかりだ。しかし、新しいウェブを構築するということで言えば、こうした文字はすべて重要な標準を表している。Microsoftは、「Windows」と「Office」の事業があることで、PCからクラウドへのアプリケーションの移行によって失うものが最も多いということを考えると、同社が標準に応じることはなおさら重要だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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