「1行のテキストを保存するためにデータベースを構築するのは、巨大なハンマーで金属製のネジを木に打ち込むようなものだ。目的は達成できるが、おそらくそれは最善の方法ではない。しかし、ウェブアプリケーションやウィジェットで大量のデータを管理する場合、真のデータベースはもっと有益なものだ」。Operaの最高標準技術責任者(CSO)であるCharles McCathieNevile氏はこう述べた。それによって、オフラインの電子メールや、ブックマーク、辞書、同期された連絡先のより効率的な管理といった高度な機能が実現するとMcCathieNevile氏は言う。
ウェブブラウザは長年、クッキーという小さなテキストファイルを使う原始的な方法で、データをローカルに保存してきた。だがブラウザメーカーは以前から、もっと強力なメカニズムを模索しており、それによって多様な可能性が生まれた。
適切な名前が付けられた「LocalStorage」はそうした新しい方法の1つで、FirefoxとIE8がサポートしている。しかし、LocalStorageがW3Cを通してWeb Storageとして正式に標準化されようとする中でも、各ブラウザメーカーは最新ブラウザ設計に対するLocalStorageの限界を認識していた。
LocalStorageの問題の1つは、ブラウザコンピューティングが単一のコンピューティングプロセスで実行されていた時代に生まれたことだ。当時の設計では、プログラマーは1つのブラウザタスクが、別のブラウザタスクが自らの制御下にあると思っているデータに干渉することを心配しなくてもよかった。マルチプロセスブラウザが登場する時代になり(今日ではChromeがその一例で、Firefoxも同じ方向に進もうとしている)、ブラウザにはより多くのことを並列処理できる機能が追加されている。そして、LocalStorageはその流れに取り残されている。
「複数の(ブラウザ)タブが同じデータにアクセスできるため、1つのタブがやっていることを、同時にほかのタブからも見えるようにする必要がある。複数のプロセスを実行することもあるブラウザでは、それは特に困難だ」(Blizzard氏)
「Web SQL」は、Appleによる別のローカルストレージ方式で、「Web DB」と呼ばれることもある。より高度な機能を提供し、HTML標準化プロセスにも含まれた。Web SQLは、データの保存や取得のために、古くからあるSQLという標準を採用した。
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