Electronic Entertainment Expo(E3)に注目が集まる一方で、台湾のComputexカンファレンスはそれほど騒がれていないものの、ネットブックとノートPCの将来に関する、興味深いニュースをいくつか生み出している。こういったニュースはいずれ米国にも届くことになるだろう。モバイルコンピューティングの未来を占うために、台湾の台北で先週発表されたことを見てみよう。
携帯電話ベースのネットブックが成長:Qualcommなどの企業が「スマートブック」と呼んでいるものが、2009年のネットブックになるようだ。これは、概して言えば命名法が変わっただけで、Qualcommの「Snapdragon」などの、スマートフォン用チップをベースにしたARMプロセッサが、ほかならぬ「Android」を稼働するASUSTeK Computerのネットブック「Eee PC」上でデモンストレーションされていた。Snapdragonのライバルで、ARMベースの「i.MX515」プロセッサを製造しているFreescale Semiconductorは、タブレット型のように見えるハイブリッドスマートブックを予側しているが、これはさらに携帯性を高めたネットブックになるとする見方もある。
どのプロセッサを採用するにせよ、各企業はついに、Googleが生み出したスマートフォン用OSのノートPC版を稼働する、正真正銘のAndroidネットブックを2009年内に発売すると発表している。一歩先んじているのはAcerで、Androidネットブックを2009年第3四半期までに発売することを正式に発表した。これによって、米CNET上で続いている「ネットブック上のAndroid」についての議論が、突如として加速している。Androidは本当に優れたOSソリューションなのかという点については、AcerなどのノートPCメーカーにとって、議論の余地があるかもしれない。Acerは、スマートフォン市場へも参入しつつあり、Googleを自社の将来のデバイス向けのモバイルOSとして全面的に採用することに主に関心があるようだ。Acerによれば、同社のネットブックの「大部分」は、「Windows」の代替としてAndroidを稼働する予定だという。
では、Linuxはどうなるのだろうか。厳しい状況に置かれるだろう。相対的にブランド性が低いLinuxの環境は、アプリケーションストア全盛の世界では苦戦を強いられている。とはいえ、RealNetworksが先週、Linuxネットブックと「Instant-ON」OSプラットフォームに「RealPlayer」をプレインストールすると発表したことは、「Ubuntu」にとってはメディア再生が簡単なネットブックの機能に後れを取らないための大きなステップであり、またブランド認知とコーデック統合も進むことになる。Computexでは、「Moblin」Linuxベースのネットブックのプロトタイプが数点展示された。さらに、Ubuntuから進化した来るべきグラフィカルインターフェースであり、ネットブックなどのウルトラモバイルPCに特化したOSの候補である、「Ubuntu Moblin Remix」も発表された。
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