オラクルのサン買収--予測される「統合」という課題 - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年04月23日 07時45分

 しかしOracleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Ellison氏は、統合について強い信念を持つ人物であり、同社の公式な声明で次のように宣伝している。

 「Oracleは、アプリケーションからディスクまで、統合されたシステムを設計できる唯一の企業となるだろう。統合されたシステムでは、すべての構成要素が適合し連動するので、顧客は自分たちでそれを行う必要がない。われわれの顧客は、自社のシステム統合のコストが下がり、一方でシステムのパフォーマンス、信頼性、セキュリティは向上するため、メリットが得られる」(Ellison氏)

 Ellison氏の発言は的を射ている。Sunは、これまで主にデータベース市場に焦点を当てており、データベース向けの強力なテクノロジ資産を所有している。ただ、効果的に販売することができていない。こういったSunの資産には、最新の「Niagara」や発表が遅れたハイエンドの「Rock」マルチコアプロセッサ、「Solaris」OS、驚異的なデータ容量を備えたストレージサーバ「Thumper」がある。

 この高度な統合を行って製品を販売することで、OracleはSunから相当量のオープンソース資産、つまりJava、MySQL、Solaris、「GlassFish」「NetBeans」を、あまり「消化不良」を起こさずに取り入れることができる。また、Oracleがこれまで多くの場合距離を置いてきたオープンソースコミュニティーと、より積極的にかかわる誘因にもなるかもしれない。

サーバ市場の過去と未来

 だが別の問題もある。サーバアプライアンスは、古い時代、つまり企業が個別のシステムを購入し、管理していた時代に、ある程度作り出されたものだということだ。これは現在でも大きなビジネスではあるが、業界で勢いを増している2つの重要な傾向と一致していない。

 その傾向の1つは仮想化であり、主としてEMCの「VMware」のソフトウェアによるものだ。仮想化によって、単一サーバで複数のOSを稼働でき、ワークロードの要求が移り変わるにつれて物理的な1台のマシンから別のマシンにソフトウェア群を柔軟に移動できる。仮想化は、ハードウェアとソフトウェアの強力な結び付きを断ち切ることで、統合の宣伝文句を弱め、サーバとより高度なソフトウェアの間に、サードパーティーのテクノロジが入り込むことになる。

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