Sun Microsystemsの買収を決めたのは、IBMではなくOracleだった。
OracleとSunの両社は米国時間4月20日、OracleがSunの普通株を1株あたり9.50ドルの現金で買収することについて最終合意したと明らかにした。買収総額は74億ドル(Sunの保有現金や負債を考慮した場合の実質的な買収額は56億ドル)。
Oracleの社長Safra Catz氏は声明で次のように述べている。
この買収により、最初の通期会計年度に非GAAPベースで利益が少なくとも1株あたり15セント増えるものと期待している。われわれの推計によると、買収した事業は最初の1年で15億ドル、2年目で20億ドルの営業利益をOracleにもたらすことになる。
Sunはドットコムバブルの時代にサーバ用ハードウェアの供給業者として有名になったが、同社をさらに有名にした技術はソフトウェア関連のもの--プログラミング言語の「Java」だった。両社は20日の発表で、「Oracleが手にした最も重要なソフトウェアはJavaである」と述べた。
ZDNetの同僚Larry Dignanはこのように述べている。
Oracleの最高経営責任者(CEO)のLarry Ellisonは、取得したハードウェアやソフトウェアをOracle Exadataに統合したいと考えたのではないだろうか。Ellison氏はOracle四半期決算の席上でExadataに強い需要があると喧伝していた。
Sunの取締役会は、満場一致で買収を承認した。買収は、Sun株主の承認や規制当局の許可などを経て2009年夏に完了の予定。
3月には、IBMがSunに食指を動かしているとの報道が出回ったが、SunがIBMから提示された条件に満足できなかったと伝えられている。
太平洋夏時間午前5:59更新:投資家への説明を目的とした電話会議でCatz氏は、OracleではSunの資産から利益をあげるつもりであることを強調した。
Catz氏は買収完了後、すみやかに両社のソフトウェア資産を統合すると述べ、「ここで明らかにしておきたいのは、これが採算のとれる取引であるということ」と述べた。「Sunをこれまでよりずっと高い利益幅で運営できると考えている」(Catz氏)
Sunは直近の四半期に2億900万ドル(1株あたり28セント)の損失を計上している。このときの売上は前年同期比11%減の32億2000万ドルだった。
同じ電話会議の席上でEllison氏はJavaについてOracleのミドルウェアにとって「クリティカル」な存在であると述べ、Oracleのミドルウェア製品はデータベースビジネスに比肩するくらいの事業になるべく成長中だと述べた。さらに同氏はSunの「Solaris OS」が「市場で手に入る中でベストなUNIX技術」と評した。
Sunの会長であるScott McNealy氏と、最高経営責任者(CEO)のJonathan Schwartz氏も電話会議に出席した。
「Oracleに買収されることになり、ワクワクしている」とMcNealy氏は述べた。
太平洋夏時間午前6:35更新:参考までに過去のこんな話も紹介しておこう。Ellison氏はいつもSunに好意的な目を向けてきたわけではなかった。OracleがPeopleSoftの買収に躍起になっていた2003年、Ellison氏はSunを買収するのは「まずいアイデア」と発言した。その年の10月の株主総会ではさらに「Oracleはハードウェアビジネスを手がけるべきではない。したがってハードウェア企業を買うことにはならないだろう」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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