10年前、Marc Benioff氏の新しいベンチャー事業Salesforce.comは、ソフトウェア通たちからは懐疑心を持って、しゃれたパーティを愛する人たちからは熱狂を持って迎えられた。
Salesforce.comは、ソフトウェアをPC内やデータセンターのサーバ上に置くのではなく、インターネットを介してサービスとして提供することができるという考えを採用した最初の企業の1つだ。創業時、Salesforce.comが成功する見込みは低いと思われていた。ドットコムブームは減速しつつあり、Oracle、Siebel Systems、SAPのようなソフトウェアの大企業は、サンフランシスコの若い企業をスタートする前から押しつぶすことができそうだった。
それから10年。われわれは今、Salesforce.comがやっていることを「クラウドコンピューティング」と呼んでいる。Siebelをはじめ、PeopleSoftやBEA Systemsといった巨額の売り上げを手にしていた多くのソフトウェア企業は、今やOracleの一部となっている。Salesforce.comは創業初期を乗り切っただけでなく、年間売上高10億ドルを達成するまでになった。そして、小さな企業が素晴らしいアイデアと型破りなマーケティング、さらには話題を集めた数回のパーティによって、いかにして自分たちより大きな競合企業に打ち勝つかという模範例となった(この10年間にテクノロジ系記者が食べてきたSalesforce.comチョコレートのことも忘れてはならない)。
Salesforce.comの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏に、Salesforce.comの過去と未来に関する質問を電子メールで送ったところ、回答することに同意してくれた。以下は同氏の回答の要約版である。
Benioff氏:ローンチでは、新しいビジョンの創造、ソフトウェア業界についての新しい考え方を発表することがすべてでした。われわれは劇的かつ大胆に過去と決別しようとしていましたし、われわれのローンチがそれを表現すべきだと感じていました。10年後もあのパーティを覚えていてくれたということは、われわれが大きな印象を与えたという何よりの証拠です。
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