第1章より続く。
今回は、インターネットの歴史の第2章として、「電子メールのすべて」「ソーシャルな世界にようこそ」というタイトルで2つの分野を見てみよう。
WWWが誕生する以前、ARPANETの時代には、電子メールはネットワーク上の全トラフィックの70%以上を占めていた。つまり、電子メールはインターネットの歴史の中でも重要な歯車の1つを担っていたのである。
電子メッセージは1960年代のタイムシェアリング端末にさかのぼるが、現在の電子メールへとつながる画期的な第1歩は、コンピュータプログラマーのRay Tomlinson氏が、自分自身で書いたSNDMSGという名のプログラムを使って、最初の「ネットワークメール」を(一対一の送信ではなく複数マシン間で)送信したときだ。またTomlinson氏は電子メールのスタンダードに「@」記号を導入した。
電子メールの世界的な標準化は1990年代前半に決着したが、開発自体は1970年代に徐々に進められていった。開発の過程で、小型犬を飼いバッキンガム宮殿に住む英国のエリザベス女王が、自身初となる電子メールを陸軍の基地から送信している。この出来事はグローバルなパラダイムを変えるものとして、インターネットの新たな重要性と可能性を示した。
世界で初めて未承認メール広告を送信したのはDEC(ミニコンを発明したDigital Equipment Corporation)の社員であったGary Thuerk氏で、ARPANETのユーザーほか400人に送信している。メールではDECの新しいSystem-20ミニコンピュータを宣伝するとともに、製品説明を希望するかどうかを尋ねた。
Hotmailは世界初となるウェブメールの主要プロバイダである。Sabeer Bhatia氏とJack Smith氏によって1995年に構想が練られ、1996年にサービスが開始された。1997年に4億ドルでMicrosoftに買収されている。この買収は近年の通信の歴史の中で大きな出来事の1つであり、インターネットサービスプロバイダに支持されている場合のみに制約されていた電子メールの利用を、ネットワークで接続された世界中のあらゆるコンピュータのすべてのユーザーへと拡大した。
2004年まで、Hotmailが無料電子メールサービスのユーザーに提供していたメール保存容量はわずか2Mバイトで、Yahooも4Mバイトだった。そのためGoogleが容量1Gバイトの電子メールサービスを無料で開始すると発表したとき、News.comのある読者は、「エイプリルフールのジョークのようだ。こんなことは聞いたこともない」と書いたほどだ。弁護しておくと、その日は4月1日だったのである。しかしこのことは、今ではウェブベースのメールの主要プロバイダがギガバイトのメールボックスを標準で提供することになったように、無料電子メールの世界にパラダイムの転換をもたらした。
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