Appleにおけるストックオプション付与日のバックデート処理をめぐる苦境を切り抜けるため、同社で慎重かつ計画的に対策を指揮してきたDonald Rosenberg氏が、新しい挑戦に取り組もうとしている。
AppleとQualcommの両社は米国時間9月28日、Rosenberg氏がAppleの法律顧問を辞任して、Qualcommで同様の職務に就くことを発表した。Appleは、Oracleで法律顧問を務めるDaniel Cooperman氏を迎え入れる予定であり、同氏は11月1日から正式にその職に就く。
Qualcommは、Rosenberg氏に対してエグゼクティブバイスプレジデントの肩書き(Appleではシニアバイスプレジデントだった)を与えるとともに、おそらくは同氏にAppleでストックオプション問題をめぐる捜査の回避を担当した時よりも大きな法律面での難題を担当させる見込みである。携帯電話のネットワーキングチップで使用されるほとんどすべての技術を握っているQualcommは、特許権をめぐってBroadcomおよびNokiaと係争中である。米国際貿易委員会(ITC)がQualcomm製チップを使用した携帯端末の輸入を禁止したが、この裁定はのちに上訴裁判所によって保留された。Rosenberg氏は8月に辞任したLou Lupin氏に代わって本格的に活動を開始する。
Rosenberg氏は、2006年5月にAppleの法律顧問であるNancy Heinen氏が去った後、同年11月にAppleに採用された。Heinen氏とAppleの元最高財務責任者(CFO)であるFred Anderson氏は、米証券取引委員会(SEC)からストックオプション付与日のバックデート行為の首謀者であると見なされている。Appleによって2006年に採用された外部調査員は、最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏を含め、同社の現在の経営陣には何ら不法行為の証拠を発見できなかった。
Cooperman氏もシリコンバレーの法廷で全く経験がないわけではない。最新では、SAPの関連会社がOracleからドキュメントを盗んだと主張してSAPを相手取って訴訟を起こしている。しかし、Heinen氏に対する訴訟に関してJobs氏にSECで証言するように召喚令状が出されていることから、Cooperman氏もすぐに忙しくなるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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