ネットワークでデジタルシネマを配信するトライアル「4K Pure Cinema」に取り組む企業に新たにBuena Vista Internationalが加わったことがこのほど発表された。
4K Pure Cinemaは、従来のアナログフィルムを用いずに、日米間の配信センターおよび、国内の配信センターと複数の映画館を高速の光ファイバで結び、革新的な最高品質の映画像をネットワーク配信するというもの。
トライアルでは、デジタルシネマ関連の技術仕様団体である「DCI(Digital Cinema Initiative)」によって策定されたDCI仕様のデジタルシネマの配給から興行までのプロセスを総合的に評価を継続している。それとともに、上映作品数、配信拠点数(映画館の数)を増やすことで配給プロセスの負荷を検証し、映像品質、運用体制、セキュリティ、ネットワーク配信や劇場運営のコストなどについても、映画鑑賞者による評価も交えながら、技術や運用などの観点から実用性を検証している。
これまで参加していたのが、米国からWarner Bros. Entertainment、Sony Pictures Entertainment、Paramount Pictures、日本からはワーナー エンターテイメントジャパン、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント、東宝、TOHOシネマズ、ワーナー・マイカル、NTT、NTT西日本、NTT東日本、NTTコミュニケーションズの12社。
Buena Vista Internationalは、Walt Disney Pictures、Touchstone Pictures、Hollywood Pictures、Miramax Filmなどの北米以外の劇場映画配給を担う。ウォルト・ディズニー・ジャパンの一部門であるブエナ ビスタ インターナショナル ジャパンのサポートにより、DCI仕様準拠の高品質デジタルシネマコンテンツの提供を行うという。
Buena Vista Internationalの参加に伴い、3月17日から全国一斉公開されている「デジャヴ」を2Kデジタルシネマから4Kデジタルシネマに変換し、「TOHOシネマズ高槻」と「ワーナー・マイカル・シネマズ むさし野ミュー」の4Kデジタル劇場でも上映する。
現在のトライアルは、現在SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers :映画テレビ技術者協会)の作業部会の一つである、DC28において国際標準化作業が進められている。更改中のDCI仕様について、互換性などの技術的な検証を行うため、トライアル期間を2007年9月末まで延長し、次世代の映画上映方式であるデジタルシネマの普及に向けて、さらに充実を図っていくとしている。
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