NTTとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月19日、世界初となる4K非圧縮映像(HDTVの4倍の精細度を有する、デジタルシネマ規格に準じた映像)の6GbpsIPストリーム伝送および、光クロスコネクト装置による超大容量コンテンツのサービス切り替え実験を成功させたと発表した。
今回の実験は、1月18日の「JGN IIシンポジウムin仙台」において実施されたもの。4K非圧縮映像の6GbpsIPストリーム伝送実験では、慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC機構)で撮影された4Kライブ映像を非圧縮状態でIPパケット化。 NICTの高速、高機能研究開発テストベッドネットワークであるJGN IIを介して仙台国際センターのシンポジウム会場へストリーム伝送し、6Gbpsの速度で対話を含むライブ中継が実施された。また、4Kシネマ配信サーバに蓄積された4Kシネマやアニメ、4KCGを、NTT武蔵野研究開発センタから会場まで非圧縮IPストリーム伝送で遠隔上映する実験も実施した。なお、4K映像のIPストリーム伝送には両社がi-Visto技術を用いて新開発した「4Kゲートウェイ装置」が採用されている。
光クロスコネクト装置による超大容量コンテンツのサービス切り替え実験については、仙台国際センター、DMC機構、NTT武蔵野研究開発センタを結ぶ構成で実施。JGN II上の3台の光クロスコネクト装置(OXC)は東京に2カ所、大阪に1カ所設置され、仙台から東京、大阪そして東京へ折り返した総延長1500km以上のネットワーク実験環境を構築した。
実験では、東京1と大阪のOXCをネットワーク制御技術「GMPLS」によりコントロールして仙台国際センターとDMC機構の間に波長パスを設定、両会場間で超高精細双方向ビデオ会議を実現した。さらに、シンポジウム会場の波長パスの接続先をNTT武蔵野研究開発センタに切り替え、シンポジウム会場に4Kデジタルシネマ映像の遠隔上映を行った。
両社は今回の実験成功により、超高精細映像を低遅延でライブ中継できる可能性を実証すると同時に、地理的に分散して存在する複数の超大容量コンテンツの蓄積・編集・配信の可能性をも実証できたとしている。さらに今後も連携して、高速ネットワークを用いた高品質デジタルコンテンツの流通や制作に関する研究、フォトニックネットワークの構築技術・制御技術の研究を進め、高品質デジタルコンテンツを流通させるネットワークの構築やサービスの提供に向けた検討を進めていく。
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