産業技術総合研究所(産総研)は11月22日、書き換え可能なLSI(Field Programmable Gate Array:FPGA)を用いたウイルスチェックシステムを開発したと発表した。FPGAの高速性を生かし、既存のウイルス対策ソフトの約10倍の速度で動作するという。
同社によると、既存のウイルス対策ソフトはPCの処理速度を低下させ、ウェブサイトの表示を遅らせるといった問題がある。またネットワーク上のデータをいったんハードディスク装置(HDD)などに取り込んでからウイルスの有無を確認するため、確認が済む前に感染するおそれがあるという。
新たに開発したFPGAによるウィルスチェックシステムは、PCとネットワークの間に取り付けて利用する。最大通信性能10Gbpsのイーサネットのデータをリアルタイムにチェック可能。PCと独立して動作するため、処理速度を低下させず、HDDなどにウィルス付きのデータを取り込む恐れもないとしている。
これに加えFPGAの特徴を生かした自動更新機能を備える。ネットワーク上のウイルス・データベースに新規登録があると、それをもとにFPGA用のデジタル回路を生成し、FPGAの機能を変更する。
PCだけでなく、現在ウイルス対策ソフトの少ない情報家電や携帯電話機、電子手帳などの機器に対しても有効なセキュリティ対策になるという。産総研では2007年度末まで同システムの改良を行い、以後3年〜5年以内の実用化を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
トラディショナルからモダンへ進化するBI
未来への挑戦の成功はデータとともにある
パランティアが打ちだしたDX支援のかたち
従量課金制データプラットフォームの魅力
成長していくうえで陥りやすい3つの課題の
解消の鍵となる内製化をゆめみが支援
ガスサービスのIoT化で労働力不足を補い
安心安全な暮らしをサポート