日本アルテラは17日、同社主催の年次カンファレンスAltera PLD World 2003にて記者発表を行い、2004年の新製品ロードマップなどについて説明した。同カンファレンスは今年で10回目。また、今年米Alteraは設立20周年を迎え(日本法人設立は1990年)、同社にとって節目のイベントとなる。
アルテラは設立以来CMOSデジタルロジック市場で、PLD(Programmable Logic Device)に特化した製品を提供してきた。CMOSデジタルロジック市場は年間247億ドル(2002年度)の規模で、PLDの市場規模はそのなかでも全体の10%。CMOSデジタルロジックのなかで大半のシェアを握るASSP(Application Specific Standard Products、シェア39%)やASIC(Application Specific Integrated Circuits、シェア42%)などと比べると比較的小さなものだ。だがPLDは、ASICのカスタマイズ可能であるという利点と、ASSPの量産可能な部分の両方を兼ね合わせており、さらにASICと違って開発期間も短くて済むため、「タイミングを逃さずに商品を市場に投入でき、競争力を持つことができる」(米Altera会長、社長兼CEO、ジョン・デイナ氏)として注目されているものだ。同氏によると、ASICからPLDへと移行している企業も多いという。
米Altera会長、社長兼CEO、ジョン・デイナ氏 | |
---|---|
アルテラ製品を採用している業種としては、通信、コンピュータ、ストレージ、医療や軍事などの産業用機器分野など多岐にわたる。特に産業用機器分野での収益は、「業界標準が5%であるのに対し、アルテラでは28%成長した」(デイナ氏)。また、おもにハイエンド分野での需要が高い同社製品だが、デジタルコンシューマー分野においても「昨年同期と比べると54%の伸びを示した」(デイナ氏)としている。なお、同社の2003年度前期の収益は4億ドル。前年同期は3億5100万ドルで確実に成長していることがわかる。
今回同社が発表したロードマップでは、PLDのなかでも大容量で設計が複雑なFPGA(Field Programmable Gate Array)製品である「Stratix」および「Cyclone」の次世代製品、FPGAに比べるとシンプルで使いやすく、低コストなCPLD(Complex Programmable Logic Device)である「MAX」の次世代製品、および「FDGA」の組み込みソフトウェアとなるNicosの次世代製品について語られた。それぞれ製品名に「II」とつけられたこれら製品の既存品との違いは、FPGA製品がすべてこれまでの130nmプロセスから90nmとなること、CPLDが300nmから180nmとなることなどだ。市場投入時期としては、FPGAのなかでもより高性能なStratix IIが2004年前半、量産向けのCyclone IIのソフト部分が2004年中旬、シリコン部分が2004年末、CPLD製品のMAXが2004年前半、そしてNios IIが2004年第2四半期ということだ。なお、同社は完全なファブレス企業で、ファウンドリとしておもにTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)と提携している。
デイナ氏は「アルテラは特に日本での伸びが顕著だ。昨年同期に比べると今年上半期の日本での収益は39%アップしている。これはアルテラが顧客の声をよく聞き、ニーズに合ったソリューションを提供できるためだ。また、日本ではわれわれの顧客となりえる業界で成功している企業が多い。つまり市場が非常に大きく、日本からの収益だけでアルテラ全体の24%を占めている」とし、今後も日本市場で積極的に事業展開する意気込みを見せた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス