[ ラウンドアップ ]
2006年の初め、Microsoftは「Windows Vista」と「Office 2007」を年内には店頭に並べたいと考えていた。
全体的に見ると、Microsoftはこの目標を達成することができなかった。両製品とも11月に完成し、大口企業顧客への製品提供は間に合った。しかし、一般向けの販売は2007年1月末になってしまった。
Windows VistaとOffice 2007のグループがMicrosoft本社の一角で開発に取り組んでいたとき、別のグループはMicrosoftのほとんどの製品に「Live」を付ける仕事にあたっていた。2005年末、Microsoftはインターネットサービスと広告収入によって支えられるソフトウェアの計画を発表したが、この計画の最初の成果物を提供するまでに、2006年のほとんどを費やした。
「Hotmail」を、より現代的なウェブメールサービス「Windows Live Mail」へと改良を行うのが、最大の取り組みの1つだった。Microsoftは2006年中に最終版を完成させたいと考えていたが、結果的に、「ベータ」の文字を外すことができたのはオランダでのみだった。一方、インスタントメッセージング(IM)の分野では、「Windows Live Messenger」の最終版をリリースし、YahooのIMネットワークとの相互接続機能を追加するなどして健闘した。
Microsoftはサービス戦略の中で広告分野にも取り組んだ。2006年春、同社は独自の検索連動広告エンジン「adCenter」を展開し、米国内の検索クエリに対し適用したが、この移行は短期的な成功をもたらしただけだった。また、同社は広告の取り組みをビデオゲームの分野に拡大し、5月にはゲーム内広告企業Massiveを買収した。
Apple ComputerのiPodに何年も負け続けているデジタル音楽の分野では、パートナー企業を中心とした「PlaysForSure」プログラムを棚上げにし、独自のプレーヤーとサービスによる「Zune」を立ち上げた。
Microsoftはまた、「Origami Project」関連でいつになく世間を騒がせた。しかし、このミニタブレットPCの詳細が明らかになると、熱気はかなり冷めてしまった。結局、最初の機器は期待された500ドルをはるかに上回る価格で販売された。またこの機器は、一部で予想された丸一日使えるだけのバッテリ駆動時間も達成できなかった。
ほかの面でも、2006年は大転換の年だった。Microsoftでは、2005年に始まった組織再編の影響から、経営陣の組み替えが引き続き行われた。重要な異動を1つ挙げると、再編の結果、長年Office部門の幹部だったSteven Sinofsky氏がWindowsの部門に移り、OSの開発を率いることになった。
しかし、人事で最大の出来事は、6月に衝撃的に行われた、会長Bill Gates氏に関する発表だった。Gates氏は慈善活動により多くの時間を費やすため、自分は2008年に非常勤になると語った、
法律の面では、Microsoftは引き続き欧州の反トラスト当局と争いつつ、Symantecによる訴訟の標的にもなった。一方で、長年のライバルであるNovellとは和解を試み、11月にはWindowsとNovellの「SUSE Linux」との連係を改善するために両社が提携を発表した。また、MicrosoftはSUSE Linuxの利用者に対し法的保護を提供することに同意した。
しかし、こうした両社の緊張緩和も長くは続かなかった。1カ月と経たないうちに、両社はLinuxがMicrosoftの特許を侵害しているかどうかについて、「一致していないということで合意した」のだった。
先週、マイクロソフトは「Windows Live」「Office Live」という2つのオンラインサービスに関する計画を発表した。先月末に送られた以下のメモのなかで、ゲイツはオンラインの現状に関する自身の見方を示している。
2005/11/10 19:15
マイクロソフトの「Origami」は現在のタブレットPCより安価かつ小型になるが、サイズや価格、バッテリ寿命などに関して同社が目指している、最終的な目標を達成するものではなさそうだ。
2006/03/01 13:38
マイクロソフトは米国時間3月2日、同社が秘密裏に進める「Origami Project」のウェブサイトを更新し、新たな予告映像を公開した。また、それと同時にWindowsベースのこのミニタブレットのカギを握る詳細についても正式に認めた。
2006/03/03 11:03
同社は米国時間21日、「Windows Vista」の開発に遅れが出ていることから、新OSを搭載するPCの発売が2007年1月以降になると発表した。
2006/03/22 08:48
同社は米国時間23日、大規模な組織再編を発表し、新たなWindows責任者にこれまでOffice部門を率いてきたS・シノフスキー氏を任命した。
2006/03/24 10:32
マイクロソフトが先週、HotmailやYahoo Mail、Gmailなどの電子メールをオフラインで管理できるようにする「Windows Live Mail Desktop」の試験運用を開始したことで、ウェブメールの戦いがデスクトップに拡大しようとしている。
2006/04/03 12:56
Origami PCが米国市場でもデビューすることとなった。サムスン電子は米国時間5月1日、同社製Origami PCを米国で発表するとともに、Best Buyのオンラインストアで来週発売し、今夏には小売店での販売も開始すると明らかにした。
2006/05/02 11:49
マイクロソフトが自社製の広告配信用エンジン「adCenter」に関する計画を初めて発表したのは約1年前のことだが、同社では現在米国発のすべての検索クエリにこのツールを使っている。
2006/05/08 11:47
すでに広告に巨額を投じているMicrosoftだが、米国時間5月4日、同社はMassiveの買収を発表し、さらに大きなかけに出た。
2006/05/08 17:55
シマンテックが、知的財産の不正流用と、データストレージ技術関連のライセンス違反でマイクロソフトを提訴した。
2006/05/19 12:28
ゲイツ氏がマイクロソフトにおけるフルタイムの仕事から身を引く意向であることを明らかにした。マイクロソフトは株価の低下やグーグルとの競争、次期OS「Vista」の開発遅延などの問題に直面している。
2006/06/16 08:17
マイクロソフトが米国時間7月21日、アップルコンピュータのiPodに対抗するためのブランド「Zune」を準備中であることを認めた。
2006/07/22 18:11
マイクロソフトが開発しているiPodの競合製品は、依然として謎に包まれている部分が多い中、その無線機能だけがアップルコンピュータに対抗するための斬新な機能として大きくクローズアップされている。
2006/07/26 18:30
マイクロソフトは米国時間7月27日、音楽市場でのアップルに対する遅れを取り戻すため、同社は多額の資金を投入する計画だと述べた。しかし、この遅れを取り戻すには数年はかかるだろうという見解も示した。
2006/07/28 17:12
マイクロソフトとノベルが両社製品を協調させることで提携すると発表した。
2006/11/03 12:10
マイクロソフトは米国時間11月6日、「Office 2007」の開発が完了したことを明らかにした。これで、同社にとって重要な2つのプロジェクトの一方が完成したことになる。
2006/11/07 10:08
マイクロソフトは現地時間11月9日、オランダにおいて「Hotmail」の後継バージョンであるWindows Live Mailをベータ版から正式版へと移行した。同サービスの正式版リリースは米国やその他の国では当初の計画よりも遅れて2007年になる予定である。
2006/11/13 16:09
ノベルの最高経営責任者(CEO)は米国時間11月20日、Linuxがマイクロソフトの特許を侵害しているとするマイクロソフトの主張に異議を唱える文書をオープンソースコミュニティーに公表した。
2006/11/22 11:48
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」