[ニュース解説]ウェブメールの戦いがデスクトップにまで広がろうとしている。
Microsoftは先週、「Windows Live Mail Desktop」の試験運用を開始した。同ソフトウェアを利用することで、HotmailのアカウントあるいはYahoo MailやGoogleのGmailなどのアカウントの電子メールも、ウェブベースのサーバにアクセスせずにオフラインで管理ができるようになる。ただしメールの送受信の際には依然としてウェブにアクセスする必要がある。
Windows Live Mail Desktopは、電子メールクライアントのように宣伝されているが、単に電子メールを読む以上の機能も提供する。同ソフトウェアは、現在の形式において、利用者がアドレスブックの連絡先にインスタントメッセージング(IM)を送ったり、ブログに投稿したり、RSSフィードを読むことも可能としている。
アナリストらによると、Microsoftが持つPCの歴史、巨大なWindows利用者ベース、そして同社が広告で支援されるソフトウェアのネットワークを構築するよう取り組んでいることを考えると、同社がこの新たなデスクトップソフトウェアを提供することには意味があるという。Microsoftは新たな無料ソフトウェアを広告により支援する方法を探している。
とはいえ、他の大手ウェブメール提供業者は、この動きに追随する計画はないと述べている。ブロードバンド接続と無線インターネット接続の急増により、ウェブメールは使いやすくなり、人気が高まっている。少なくとも現時点でこれにさらにデスクトップソフトウェアを加えることには議論の余地がある。
「われわれが知る限り、利用者は、Yahooのウェブメールが『どこからでもアクセスできる』ことを本当に喜んでいる」とYahooの関係者は述べている。Yahooのウェブメールプログラムは、世界で2億2600万近くの利用者を有し、最大の人気を誇る。ComScore Media Metrixによると、世界のHotmailの利用者は2億2200万、Gmailの利用者は5200万を数える。AOLは世界で6600万の利用者を有する。
Yahoo Mailの顧客は、無料でメールを他の電子メールアカウントからPOP経由で取り込むことができる。また有料でYahoo Mailを他のアカウントに転送することもできると、Yahoo関係者は述べている。新しいYahoo Mailのベータテスト版は、プレビューウィンドウや統合RSSリーダを備え、外観がデスクトップのようなインタフェースを提供している。しかし依然としてウェブベースであることには変わりない。
GoogleはGmailの利用者に対し、その電子メールアカウントを、どんなメールクライアントに対しても、POP3経由で、デスクトップまたはモバイル端末上からアクセスすることを可能としていると、Googleの広報担当者は述べている。同担当者はまた、Googleが新たに発表すべきことはないとしている。
他方でAOLは、加入者に対しクライアントベースの電子メールソフトウェアの提供を開始し、後にウェブベースの電子メールを加えている。利用者はAOLメールを、「Outlook」や「Eudora」などIMAPとの互換性があるすべての電子メールプログラムを経由して取り込むことができる。しかし他のアカウントの電子メールをAOL Mailに取り込むことはできないと、同社の関係者は述べている。
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