ワシントン州レッドモンド発--Microsoftが自社製の広告配信用エンジン「adCenter」に関する計画を初めて発表したのは約1年前のことだが、同社では現在米国発のすべての検索クエリにこのツールを使っている。
Microsoftは、adCenterが同社全体にわたる収益源として広告事業を拡大する取り組みの要(かなめ)になると期待している。
しかし、同社は依然として成長の痛みと格闘している。Microsoftは前四半期に、米国内からの検索の大部分をAdCenterに移行した。しかし、検索クエリ数が増加しても、検索クエリ1件あたりの単価が下落したことなどから、MSN事業部は再び赤字に転落した。
それでも、同社最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏は、短期的に痛みはあるがこの移行にはそれだけの価値があると語った。
Ballmer氏は先ごろ社員に宛てて配布したメモのなかで、Googleとの戦いでは「adCenterのさらなる成長がカギを握る」と述べていた。
Microsoftは現在、adCenterの国際的な展開を進めている。フランスとシンガポールでは、adCenterがすでにMicrosoft唯一の検索広告プロバイダーとなっており、英国でも一部広告主を対象にしたテストが来月開始されることになっている。
同社によると、adCenterのパイロットプログラムに参加した同社のクライアントは、ほとんどが「コンバージョンレート」の向上を認めたという。コンバージョンレートとは検索広告が売上に結びた割合を示す指標。
Ballmer氏は、当地で開催された「MSN Strategic Account Summit」での講演のなかで、同社がadCenterに関してさらに広範な目標を掲げていることを正式に発表した。同社はadCenterを、いずれは検索広告以外の製品を提供する際にも利用したいと考えている。Microsoftでは文脈広告や検索広告、ディスプレイ広告を網羅するワンストップショップの設立を狙っている。
同社はまた、ウェブのアクセス解析を行うDeepMetrixという未公開会社を買収したことも発表した。Microsoftによると、同社は既存のサービスを拡大し、将来登場するadCenterの新バージョンに新しい解析機能を組み込む計画だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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