Bill Gates氏がMicrosoftにおけるフルタイムの仕事から身を引く意向であることを明らかにした。Microsoftは株価の低下やGoogleとの競争、次期OS「Vista」の開発遅延などの問題に直面している。
米国時間6月15日の株式取引終了後に記者会見を開いたGates氏は、今後2年間をかけてMicrosoftでの日常業務から徐々に身を引いていくと述べた。
またGates氏はただちに、最高技術責任者(CTO)のRay Ozzie氏にチーフソフトウェアアーキテクトの座を譲ることも明らかにした。また、アドバンストストラテジおよびポリシー担当チーフテクニカルオフィサーのCraig Mundie氏をチーフリサーチ&ストラテジーオフィサーに就任させ、リサーチやインキュベーションの業務を担当させるという。
Gates氏はこれまでMicrosoftに常勤し、その合間を縫ってBill & Melinda Gates Foundationの業務にあたってきたが、退任後はBill & Melinda Gates Foundationの仕事を優先させる意向だ。
同氏は声明で「ビジネスや技術の分野において、Microsoftはこれまでにないくらい強力なリーダーシップを発揮している。社内にはRayやCraigのような優秀な技術者がおり、わたしは幸運だと思う。2008年6月まではMicrosoftに常勤し、RayやCraigと協力しながら、滞りなく仕事を引き継ぐ予定だ」と述べた。
Gates氏は2000年、CEO職をSteve Ballmer氏に譲り、会長として同社にとどまると発表し、技術業界に驚きを与えている。また、それと同時にGates氏は、チーフソフトウェアアーキテクトに就任していた。
Microsoftは、好調な業績を維持するも、今後の成長見通しや新たな競合企業に対抗する能力が原因で、株価に停滞が見られていた。Microsoftの株価は15日、過去52週間の最高値28.38ドルから、22.07ドルで通常取引を終了している。同社株価は、2001年の35ドルから下降傾向にあった(Gates氏の引退計画を受けて、15日の株価は3セント下げている)。
※お詫びと訂正:記事タイトルの日付について、当初CNET News.comでの記載に合わせて2008年6月としておりましたが、Bill Gates氏がビデオの中で7月と発言していることから、「2008年7月に事実上の退任へ」と訂正いたします。
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