2月3日の取引終了後、CD、DVDレンタル店「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がMBOによる非上場化を発表しました。
MBOとはManagement Buyoutの略称で、経営陣による自社株式の買収を指します。1月末にも基幹業務パッケージソフト開発のワークスアプリケーションズがMBOの実施を発表するなど、2011年に入って株式非公開化が増加しているようです。
上場廃止には、上場維持コスト負担と意思決定スピードの向上というメリットがある反面、投資家の投資の機会を奪ってしまうという側面も指摘されています。MBOの増加は今後、株式市場にどのような影響を与えるのでしょうか。
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社会の公器になるのだ!と経営者が心に決めて、一度ひろく株式市場に乗り出した以上、卑しくも上場企業がMBOに踏み切る=私企業に戻るのは、感心できません。
今年に入ってから急増しているMBOの状況を鑑み、2月22日には東京証券取引所の斉藤惇社長が
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「株主への説明責任から逃れるために上場廃止を選択するのは、投資家への愚弄」と会見して...
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村井亮さん (ビートコミュニケーション代表取締役社長)
上場維持の費用は中小企業でも少なくとも年間5千万円から1億円と言われており、一般的にMBOの理由としては株安以外にも維持コストが高いことがあげられていますが、一方で国際会計基準(IFRS)の上場企業への適用も一部の企業の遠因になっているかもしれません。
経営者にも色々なスタンスの方がいますので最終的に上場メリットを上場維持コストが上回っ...
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後藤 康成さん (フィードパス株式会社 取締役 CTO)
これまで日本においてはプライベートカンパニーのMBOはさほど珍しい事ではなく、パブリックカンパニーのMBOの例が少なかったのが実情だと考えています。
パブリックカンパニーのMBOは、パブリックからプライベートになることがフォーカスされるあまり、IPOと相対するコンテキストで語られる事が多いのですが、本来パブリックカンパニーのMBOは、市...
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日本の現状の株式市場では、資金調達コストより維持費の方が高くつく上に、これだけ変化の速度が求められる時期にあって経営速度を損なうような市場からの制約が大きすぎるのがリスクになっています。
資本主義というか、IPOを目指すベンチャービジネスのあり方を損ねるような言い方はしたくありませんが、MBOをしたくなる経営者の気持ちは分かります。
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取材したわけではないので、本当のところは知らないけど、TSUTAYAにしろ今後2,3年で状況が激変する可能性があるわけだし、大胆な戦略転換をはからなければならないのに株式市場から増収増益を求められても困る、ということじゃないのかなあ。単純に考えて。
でも状況の変化に対応する気概があっぱれと思う。経営陣に力があるんだろうなあ。
でもよく...