Google Chromeはブラウザ市場の台風の目?

2008年9月3日 08時49分

 Goolgeが自社開発のウェブブラウザ「Google Chrome」を9月2日にオープンソースプロジェクトとして公開しました。

 Internet Explorerでウェブブラウザのトップシェアを握るMicrosoftに対し、ついにGoogleブラウザが勝負を挑むことになりました。Googleと同じくコアなネットユーザーをファンに抱えるMozilla「Firefox」もシェアを伸ばしています。新たなブラウザ戦争の行方、そしてGoogleのウェブブラウザ戦略はどのようなものになるのでしょうか。パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。


  • 江島健太郎
    江島健太郎さん (エンジニア、アントレプレナー)
    色々と工夫が光る点の多いブラウザですね。いまのブラウザが抱えている問題のスイートスポットを的確に衝いてきているという印象です。

    たとえば、タブごとに異なるプロセスを割り当てることで枯れたOSのメモリマネジメントの恩恵をそのまま受けられるところなど、非常に現代的な設計思想になっていると思います。

    「異なるタブ=異なるアプリケーション」という使われ方が多くなってきている現在、あるウェブアプリのせいでブラウザ全体が落ちるというのは許容しがたい状況になってきています。ブラウザがOSとして使われるようになってきているということなのですが、そう考えてみると今のブラウザはまだまだ貧相なOSでしかありません。

    一方で、今では搭載メモリが1GB超というのも普通のことになってきており、スレッドアーキテクチャとメモリ管理の複雑性にアプリケーションレベルで対処するよりも、プロセスをバカスカ上げたり殺したりする富豪的アプローチの単純さがもたらす設計上のシンプルさのメリットのほうが相対的に大きくなってきているということでしょう。

    そして全体的な高速性。Webkit/Safariが誇っていた最強のレンダリング速度をそのまま活かしつつ、ウェブアプリで大抵ボトルネックになってしまうJavaScriptを完全にリライト、WebkitのSquirrelFish、FirefoxのSpiderMonkeyなどに先んじて、いきなりJIT指向のVMを搭載してきました。このことがブラウザ業界に与えるインパクトはかなりでかいと思います。

    いまはParallels経由で使ってみているだけですが、ネイティブのSafariと比べても遜色ないどころか、重いレンダリングとJavaScript処理が入るページではやや勝っている感じです。元祖スピードキングGoogleの面目躍如といったところ。

    そしてなによりも、競争に対するオープンな姿勢が素晴らしい。最終的にGoogle Chromeがトップシェアにならなくても、その良いところが他のブラウザに取り込まれて、全体としてユーザのネット体験を底上げしてくれるのならそれでいい、という心意気は「買い」です。

    グーグル健在、を感じさせてくれる文句なしの一品です。早くMac版が欲しい。。。
    2008-09-03 12:07:07

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