Google「Open Social」公開、SNSに何が起きる?

2007年11月5日 08時00分

 Googleが、SNS向けソーシャルアプリケーション構築の共通規格「OpenSocial」を公開しました。すでにMySpaceやSix Apartなど多くのユーザーを抱える米国企業が賛同を表明したほか、日本の最大手SNS「mixi」もOpenSocial仕様のAPIを公開する予定であることを明かしています。この規格に沿ってアプリケーションを開発すると、膨大な数のユーザーを獲得するチャンスを得ることになりそうです。一方で、OpenSocialへの参加SNSはプロフィール情報やリンク情報を共通規格のAPIで提供することもできますが、これはSNSをはじめとしたコミュニティサービスの在り方にどのような影響をもたらすのでしょうか、また、それによってユーザーはどのようなメリットを得るのでしょうか。パネリストの皆さんのお考えを聞かせてください。


  • クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya
    クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuyaさん (コンサルタント、経営アドバイザー)
    SNSと銘打ってますが、幅広く「個人情報と人間関係の管理システム」と認識すると、いよいよGoogleがこの領域に手を伸ばしてきたか…という印象です。

    検索エンジンという性質上、Googleはこれまで「著作権」を主戦場に戦ってきました。というより、あえてそこに議論を引きずり込むように自らシフトし、売られたケンカは買う、負けそうなら相手ごと買い取る、という姿勢で事業化に挑んできたように思います。

    しかし、いくつかのコンテンツ事業者から「米国ではそろそろ裁判自体が手打ちになるらしい」という話を伝え聞きました。米国でのプロパテント見直しの流れとも符合しますし、もともとあちらの法曹界はそういう仕向けを好みがちなので、予想できるところです。

    一方、DocsやGearsなど、ユーザ個人が生成したデータに直接手を出しはじめていることから、彼らがいずれ「個人情報」のあたりに本格対応せざるを得ないことは明らかでした。実際、すでにこんな「政治的な動き」に着手しています( (リンク ») )。

    とはいえここは、産業・法体系ともに著作権ほどは成熟しておらず、デファクトを提示する必要がある領域です。おそらくGoogleは本件も、今回のようなサービスレイヤーと、政治・政策レイヤーの両方から攻めてくるのでしょう。後者に関しては、すでにEUやカナダのプライバシー・コミッショナー等とも激しくやりとりしていますね。

    ただ文字通り「ユーザ自身が自分の個人情報やプライバシーをどう考えるか」の問題でもあり、Googleといえども「簡単な戦い」にはならなそうです。このあたり、もう一方ではOpenIDの動きもあり、あわせて注目しています。
    2007-11-04 23:42:32

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