スーパーマーケットの陳列棚の間を歩くと、アボカドやザクロ、マッシュルームなど、ほとんどあらゆる食品に、品質基準を示したシールやラベルが驚くほどたくさん付いているのを見かける。その種類は、「有機認証」「フェアトレード」「完全無添加」「地元産」などさまざまだ。
同じようなラベルがデジタルコンテンツに付けられる日も近いのだろうか。
Internet Content Syndication Council(ICSC)と呼ばれる小規模な業界団体は5月から、「コンテンツミル」への業界の関心を喚起することを目的とした文書の配布を行っている(米国時間7月6日のAdweekの記事で取り上げられた)。コンテンツミルは、急速に成長しつつあるデジタルメディアビジネスの一分野であり、検索結果で上位に表示されるような、簡単で低品質の記事を量産して、そこに広告を掲載している。Demand Mediaや、AOLの「seed.com」、Associated Content(米Yahooが最近買収)などのコンテンツミルは自社について、活字やマルチメディアのコンテンツの制作作業を効率化し、デジタル時代に合った速度で送り出していると説明する。それによって、ウェブに空いた穴を新たな材料で埋めているとしており、その材料はニッチ志向であることが多いという。しかしそうした企業は同時に、怪物のようなビジネスモデルをウェブに解き放ってしまった。多くのジャーナリストやマスコミは、コンテンツミルが生み出すものは質が落ちてきていて、それはおそらく破滅的なほどだと主張する。
ICSCの文書には次のように記されている。「『コンテンツミル』の増加によって、コンテンツ全体の品質が低下するおそれがある。結果として、情報を探すユーザー、さらには自分たちのメッセージを伝える良い環境を求める広告主から見た、インターネットの有用性が下がってしまうことが懸念されている。この脅威に立ち向かうために、Internet Content Syndication Councilは、情報コンテンツの品質基準を維持する最善の方法について、業界として議論を始める時期が来たと考えている」
コンテンツミルが短期間で広まっていることを憂慮するメディア業界の専門家らは、この展開を心強く思うかもしれない。しかし少なくとも今のところ、この問題への具体的な対処方法について、結論に近いものは得られていない。有機認証済みのパイナップルのように、ブログ記事に「品質」ラベルを貼るには、具体的にはどうすればよいのだろうか。
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