岡崎勝己(ロビンソン)
2006/10/13 11:00
OSやOfficeアプリケーション分野で圧倒的な存在感を誇ってきたマイクロソフト。だが、同社はWeb 2.0の可能性に着目し、ソフトウェアにサービスを付加するという「Live戦略」を現在進めている最中だ。果たして同社はLive戦略を通じ、何を実現させようとしているのか。Windows Liveプロダクトマネージメントグループディレクターを務める淺川修治氏が同社の取り組みについて語った。
OSやOfficeアプリケーションの世界で、これまで数々の実績を積み重ねてきたマイクロソフトは、IT業界で圧倒的な存在感を誇る中、近年Web 2.0の可能性に着目し自社のビジネスに積極的に取り入れつつある。その背景について、同社Windows Liveプロダクトマネジメントグループディレクターの淺川修治氏は、「2005年におけるオンライン広告市場の規模はおよそ$17Billion。ただし、Web 2.0によりWeb上の情報交換がさらに活性化することで、その市場規模が急拡大するのはほぼ間違いない。収益の拡大に向け、当社としてオンライン広告市場を無視することはできない」と説明する。
オンライン広告収益を増大させるべく、同社が今積極的に推進しているのが、Webとデスクトップをシームレスに連携させることを目標とした「Live戦略」だ。同社はこれまで、ソフトウェアやポータル、検索サービスなどを、PCやインターネット上でそれぞれ個別に提供してきた。それらをオンライン上で融合して提供することを通じ、ユーザーに対する新たな付加価値を創造するとともに、顧客にさまざまなアプローチで広告を配信できる環境を整えようとしているのだ。
淺川氏によると、Live戦略におけるサービスは次の3つ考えに基づいているという。まず1つ目が、情報の検索性を高める「Informed」なサービス。2つ目が人と人を結びつける「Connected」なサービス。そして3つ目が高いセキュリティを実現する「Protected」なサービスである。
もちろん、ユーザーがサービスを利用する目的はそれぞれ異なる。このことを踏まえ、Live戦略で提供されるサービスは「User In Control」、すなわち、個々のユーザーごとに最適な形で利用できるよう、インタフェースや機能などを自由にカスタマイズできるよう工夫が凝らされている。ひいては、個々のユーザーごとに必要とされる情報のやりとりが活性化され、単にユーザーが参加するだけでなく自分でコントロールできる主導型サービスが実現できるというわけだ。
「例えばMSNではこれまで、情報の取得やサービスの利用に対して受動的なユーザーを対象にサービスを展開してきた。それに対して昨年の11月から開始したWindows Liveでは、より積極的にサービスを活用したいという能動的なユーザーに対してサービスを提供する。ボリュームゾーンをMSNで、ロングテールゾーンをWindows Liveでそれぞれカバーする」(淺川氏)
一方で、情報はデスクトップやイントラネット、インターネットなどさまざまな場所に蓄積されており、それらの中から必要なものを探し当てるには、ユーザーはそれぞれ異なるツールを使い分けなければならなかった。だが、Live戦略では「Seamless Integration」、すなわちツールをすべて統合することで、情報のありかを問わず容易に検索できる環境が整えられるという。
マイクロソフトでは今後、Live戦略をさらに推し進めるために、サービス基盤となるWebプラットフォームを社外のディベロッパーに解放するとしている。これにより、サービスの高度化が図れるとともに、ユーザーは多種多様なサービスから自分が望むものを選択して使うことができるようになるわけだ。
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