富永康信(ロビンソン)
2006/10/13 11:00
続いて、伊地知氏に代わりメディア事業部のコンシューマメディア部でシニアマネージャーを務める有賀之和氏が登壇。同社の新世代ブログ「PRAC(Personal Reviews and Awaken Communities)(仮)」について説明した。
livedoor ブログは2003年11月に開始され、この3年間でユーザー数は約155万人(2006年9月現在)に膨れ上がった。毎日14万件ほどの投稿があり、メールマガジンは週60万人に配信され、月間のユニークユーザー数は1300万人という規模にまで成長したという。
「ブログサービスも3年を経て大きく変化し、当初には考えられなかったことも多く発見できた」と語る有賀氏は、アフィリエイトの一般化によるネットリテラシーの向上や、それを実践するブログ利用者層の拡大の事実を指摘。利用者のアクセス方法も、RSSリーダーやソーシャルブックマークなど多様に変化しているという。
また同氏は、「ブログを開始する垣根が低くなったことで、幅広い層の利用者をカバーできるようになってきた」と現状を分析する。芸能人やネガティブなものも含めて、センセーショナルに報道されたことで一般へ浸透してきたこと、さらには、迅速な開発や要望の連続的反映によって、利用者のニーズを取り込んできたことなどをその理由に挙げた。
しかしその反面として、同社のブログサービスの課題も示した。まず、機能が多く自由度は高いが、統一的なサービスが提供できないこと。また、蓄積されたコンテンツを効率よく見せる方法が貧弱であること。加えて、新しい技術やトレンド導入の困難さ、トラフィック拡大を優先したことによるビジネス化への遅れ、などだ。
「今後はトラフィックを構造化して整理し、メディア化することでより効果的な広告出稿につなげることが重要」と有賀氏は語る。
それでは、新世代ブログはどのポジションを狙うのか。現状のブログは、いまだ一般には内容を再編成しづらいメディアである。そのため、今後は自由度が低くとも内容を再編成しやすい仕組みを取り入れ、初心者向きの領域へと拡大させるという。「PRACでは、その言葉に表されているように、個人的な書き込みを将来的にはコミュ二ティとしても成立するようなブログの世界を考えている」(有賀氏)
では、現行のブログと新世代のPRACブログとでは何が異なるのか。同氏によると、現行での使い方は基本的にブログ作成後は作成者のリテラシー任せとなるが、PRACでは何を書いたらいいのかをある程度示していくという。また、カスタマイズ自由だった現行に比べ、PRACは投稿フォーム部分に自由度を限定する。さらに、現行は個々が独立したWebサイトに近いが、PRACはシステム運用的にコントロールしやすいものとする。よって、現行ブログは企業や個人サイトで使うことを価値とするため、有料課金ビジネスやブロガー向け広告に最適化するが、一方のPRACは見に来てもらうことを価値とすることで、閲覧者向け広告ビジネスに合うブログサービスとなるという。
最後に有賀氏は、「現行ブログがPRACに置き換わるのではなく、この2つの使い分けを提案することで新しい市場を創出し、CGM領域のサービスを強化したい」と語り、講演を締めくくった。
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