グーグル「Pixel Fold」とサムスン「Galaxy Z Fold4」を比較--どちらを購入すべき？

　サムスンは何年も前から、本体を閉じた状態ではスマートフォン、開いた状態ではミニタブレットとして機能する「Galaxy Z Fold」デバイスで、スマートフォンとタブレットの境界線を曖昧にしようと試みてきた。今ではGoogleも、同社初となる折り曲げ可能なディスプレイを採用したスマートフォン「Google Pixel Fold」でサムスンに追随している。

Pixel Fold（左）とGalaxy Z Fold4
提供：James Martin/CNET

　どちらの機種も1799ドル（日本では約25万円）と信じられないほど高額だ。この金額は、米国の一部地域における住宅ローンの月々の返済額よりも多い。しかし、いずれの機種からも、アプリとアプリを頻繁に行き来したり、目を細めて電子書籍を読んだり、外出先で映画を見るのに「iPad」に手を伸ばしたりしなくてもよいという未来が垣間見える。

　「Galaxy Z Fold4」とPixel Foldの両方に実際に手を触れてみて、筆者は、Googleの方がサムスンよりも優れている部分もあれば、サムスンの方が優位な部分もあるということに気づいた。Pixel Foldのカバースクリーンは幅が広いため、本体を開いて立たせて使用する場合、はるかに便利である。その一方で、Galaxy Z Fold4の鮮やかではっきりとした内側のスクリーンは画質が圧倒的だ。

Google Pixel Foldの方が優れている点

幅の広いカバースクリーン

Pixel Foldのカバースクリーン
提供：James Martin/CNET

　Pixel Foldの幅の広いカバースクリーンはそれほど大したことではないように思えるかもしれないが、いくつかの点で、顕著な違いをもたらす。何よりもまず、閉じた状態のPixel Foldの感触は、通常のスマートフォンに非常に近い。折りたたみ式ではないスマートフォンと幅がほぼ同じであるため、Pixel Foldのアスペクト比17.4：9の5.8インチ外部スクリーンでは、アプリがより自然に見える。厳密に言えば、Galaxy Z Fold4の6.2インチディスプレイ（アスペクト比23.1：9）の方が大型だが、こちらはほとんどの従来型スマートフォンのディスプレイよりも長細くなっている。

　だが、Pixel Foldの幅の広いカバースクリーンは、本体を閉じた状態でアプリを使用するためだけのものではない。本体を半分開いて、テントやノートPCのように立てて使用する場合でも、動画を視聴するためのスペースをより広く確保できるため、Pixel Foldはポータブルテレビとしても優れている。また、このスクリーンの形状のおかげで、Pixel Foldでは、写真撮影時により幅の広いカメラビューファインダーを利用できる。

優れたカメラ

Pixel Foldのカメラ
提供：James Martin/CNET

　Pixel Foldのカメラは「Pixel 7 Pro」ほど高性能ではないが、それでも自然な感じの鮮明でカラフルな写真を撮影できる。筆者の経験では、Pixel Foldで撮影した写真は、Galaxy Z Fold4で撮影した写真よりも色が正確であるように見えた。同僚のPatrick Holland記者も、Galaxy Z Fold4で撮影した写真に比べると、Pixel Foldの写真の方がダイナミックレンジが広く、全体的に色の正確さとディテールも優れていると感じたようだ。

　どちらの機種にも、広角レンズと超広角レンズ、望遠レンズを備えたトリプルレンズのメインカメラが搭載されているが、画像を処理する方法は大きく異なる。また、次ページの表を見ると分かるように、ハードウェア仕様も異なる。