サムスンの次期折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip5」に期待する5つの進化

Lisa Eadicicco (CNET News) 翻訳校正: 編集部2023年06月14日 07時30分

 Motorolaの新型スマートフォン「razr+」(razr 40 ultra)は、折りたたみスマートフォン市場の雄、サムスンに新たなライバルをもたらした。2022年にサムスンが発売した「Galaxy Z Flip4」は、前モデルからの正統進化と言える出来映えだったが、次モデルをさらに魅力的なものとするためにサムスンにできることはまだたくさんある。

Galaxy Z Flip4
提供:Patrick Holland/CNET

 Galaxy Z Flip4は、前モデルのデザインに磨きをかけ、いくつかの新しい仕掛けを導入し、夜間撮影やバッテリー駆動時間の面でも順当な進化を遂げた。どれも前モデルの欠点を解消する歓迎すべきアップグレードであり、結果として、Z Flip4は歴代の折りたたみスマホの中で最も人に勧めやすいモデルとなった。次モデルとなる「Galaxy Z Flip5」では、さらに一歩踏み込み、折りたたみスマホならではの新機能が搭載されることを期待したい。

 GoogleとMotorolaも新しい折りたたみスマホを間もなく発売する。この2社はどちらも、外側と内側のディスプレイをうまく連携させることで、折りたたみ端末の利点を際立たせようとしている。

 次はサムスンの番だ。サムスンは7月下旬に折りたたみスマートフォンの新モデルを発表する見込みだ

カバーディスプレイの大型化

 Motorolaのrazr+を数分触っただけで、サムスンもカバーディスプレイを大きくすべきだと確信させられた。Galaxy Z Flip4のカバーディスプレイは1.9インチしかないが、razr+のカバーディスプレイは3.6インチだ。これだけの広さがあれば、ゲームやGoogleマップの閲覧、メール作成など、多くのことができる。それに対して、Z Flip4の小さなカバーディスプレイでは、できることはかなり限られる。せいぜいテキストメッセージに定型文を返し、カレンダーの予定を確認することくらいだ。

 折りたたみスマホは基本的に開いた状態で使用するのだから、カバーディスプレイのサイズは大した問題ではない思う人もいるかもしれない。しかし、筆者はまだrazr+を本格的には使っていないが、それでも大きなカバーディスプレイは出先でかなり重宝しそうだと感じる。たためば手のひらに収まるほど小さいため、片手しか空いていなくてもテキストメッセージに返信し、メールの受信トレイをチェックできる。

razr+
Motorolaのrazr+
提供:John Kim/CNET

 もしうわさが本当なら、Galaxy Z Flip5では本当にカバーディスプレイが大きくなるかもしれない。発売前のサムスン製品に関する情報を何度もリークし、的中させてきたTwitterアカウントのIce Universeは、Z Flip5には3.4インチのカバーディスプレイが搭載されるとツイートしている。

フレックスモードの強化

 サムスンは、折りたたみスマホを三脚のように立て、写真や動画を撮るアイデアを広めてきた。これは「フレックスモード」と呼ばれる機能で、Galaxy Z FlipやGalaxy Z Foldを90度前後の角度で折りたたみ、立てた状態にすると、ディスプレイの上部と下部にアプリを分割して表示できる。初代Z Flipの発売以来、フレックスモードも進化を続けており、現在ではディスプレイの下部を小さなタッチパッドとしても使えるようになった。

提供:Patrick Holland/CNET
Galaxy Z Flip4は、ヒンジを利用して好きな角度で固定できる。折りたたんだ時の角度が垂直に近くなるとフレックスモードが有効になる
提供:Patrick Holland/CNET

 Z Flipの斬新な形状を活かす方法をサムスンが模索し続けていることはうれしい。しかしこのタッチパッド機能はあまり実用的とは言えない。目新しくはあるが、あえて折りたたみスマホを選ぶ理由にはならない。

 次のGalaxy Z Flip5では、フレックスモード機能をさらに強化し、好きな角度で本体を折り曲げられるという特徴を活かしてほしい。その意味では、カバーディスプレイの大型化は新たな可能性の扉を開く可能性がある。

 GoogleとMotorolaの取り組みもヒントになるだろう。どちらも折りたたみスマホの創造的な使い方を提案しており、例えばMotorolaのrazr+は、写真を撮影する際に外部ディスプレイにプレビューを表示することで、シャッターボタンが押される前に被写体が自分の映りを確認できるようにした。GoogleのPixel Foldは、内側にも外側にもディスプレイがあるという特徴を活かして、異なる言語を使う人と話をする際に、両方の画面にそれぞれが話した言葉の翻訳を表示し、コミュニケーションを円滑に進められるようにした。

 もちろん、こうした機能がどこまで有用かは実際に使ってみなければ分からない。しかし、両社が提案している使い方は、話題作りのためのお飾りの機能ではなく、実用性があるように感じる。折りたたみスマホにとっては、正しい方向への進化と言えるだろう。

折り目を目立たなくする

 現在、折りたたみスマホが直面している最大の課題は、画面の中央を走る折り目だ。サムスンの折りたたみスマホはもう第5世代に入る。折り目を完全になくせとは言わないが、もっと目立たなくなっても良いはずだ。折りたたみスマホの折り目をなくすことにかけては、OPPOと華為技術(ファーウェイ)が近年、高い成果を上げている。サムスンの次のモデルも、同様の進歩が見られることを期待したい。

 可能性は大いにある。前述したIce Universeの情報によれば、Galaxy Z Flip5とGalaxy Z Fold5には、たたんだ時に隙間がなくなる新型ヒンジが採用されるという。これが実現すれば、折り目はさらに気にならなくなるかもしれない。

Galaxy Z Flipのフレックスモード
提供:Screenshot/CNET

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