睡眠を追跡するウェアラブルデバイスは、心拍数や血中酸素、モーションセンサーなど、さまざまな指標を組み合わせて、睡眠パフォーマンスを測定する。だが、睡眠の専門家で、デューク大学医学部小児科学教授を務めるSujay Kansagra氏によると、睡眠の質を数値化するのは難しいため、この種のテクノロジーを利用して、睡眠障害を判断することはできないという。「深い睡眠と浅い睡眠を判断するウェアラブルのソフトウェアは、ほとんどがブラックボックス状態の技術なので、実際に何を測定しているのかを知る由はない」(同氏)
そのため、睡眠の専門家は、専門家に助けを求めることと、監督された睡眠研究を通して睡眠時無呼吸症候群や不眠症などの症状を実際に診断および治療してもらうことを推奨している。睡眠追跡は、睡眠不足の根本的な治療法には決してならないが、全体的な睡眠衛生に関する有用なデータや、睡眠の質を改善する方法についての洞察を提供することができる。
ウェアラブルデバイスによる睡眠スコアは主に平均値に基づいている、ということにも注意が必要だ。それ以外にも、その日その日の睡眠の質に影響を与える要因はたくさんある。
自動化技術をしっかりと試すため、ChatGPTを使用して理想的な就寝ルーティンを作成し、WHOOPを装着した状態でそのルーティンを1週間実践してみた。その後、測定したその睡眠結果を、ChatGPTを使わなかった前週の「通常の」睡眠結果と比較した。
筆者には、睡眠に影響を及ぼすような基礎疾患はなく、極端に多忙な生活を送っているわけでもないので、まずは、「睡眠不足に対処するための、1週間の就寝ルーティンを作成してほしい」という汎用的なプロンプトを入力した。
さまざまなプロンプトを試して、重度の不安や不眠症がある、といった具体的な情報も追加してみたが、結果は同じだった。これは、ChatGPTが、訓練に使用されたインターネット上のデータに基づいて応答を生成すること原因かもしれない。つまり、生成される回答は、質問者向けにカスタマイズされない、ということだ。したがって、睡眠不足の理由に関係なく、他のソースからも得られるような、ありふれた推奨事項や一般的な推奨事項が返ってくる可能性が高い。
ChatGPTによる毎日の推奨事項を実践した筆者の1週間の就寝ルーティンを詳しく紹介しよう。それぞれのルーティンには、いくつかの具体的な指示が添えられていた。
筆者の目標は毎日午前6時30分に起床することだったので、午後9時までにベッドに入り、30分間読書をして就寝することを目指した。読書中はすべての電子機器の電源を切って、気が散るのを避けるためにスマートフォンを寝室の外に置き、照明を暗くした。
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