「Android」タブレットの世界は、この10年ほどの間に、奇妙な浮き沈みを経験している。筆者は、Googleが2012年に発売した素晴らしい7インチの小型タブレット「Nexus 7」を今でも覚えている。それから、Nexusのような成功は得られなかった「Pixel Slate」もある。Pixel Slateは、「Chromebook」とAndroidを組み合わせた、タッチスクリーン搭載ノートPCとタブレットのハイブリッドのような製品だった。同社はPixel Slateを最後に、タブレットハードウェア市場から離れていた。
Googleにとって、「Pixel Tablet」はAndroidタブレット市場への復帰を告げる製品だ。だが、ライバルたちはこの市場でずっとしのぎを削ってきた。そうしたライバルには、新モデルが継続的に発表されているサムスンのタブレットシリーズや、Amazonの「Fire」タブレット(「Google Play」ストアをサイドロードすることが可能で、非常に手頃な価格)などが含まれる。筆者は、Googleの新しいPixel Tabletが、Androidタブレット用の素晴らしいソフトウェアと機能の復活となることも願っている。499ドル(日本では7万9800円)のPixel Tabletは、Googleエコシステムのユーザーにとって、極めて有力な「iPad」の代替品であるように感じる。また、Googleは、Pixel Tabletをドッキング可能なホームハブにするというユニークなアプローチを採用している。これは、Appleも将来的にiPadシリーズで借用すべきアプローチだろう。
Pixel Tabletに関して、2つだけ不満な点がある。このタブレットの動作は高速で、本体もしっかり作られているが、発売の時点で、Google純正のキーボードケースもスタイラスも提供されていない。自分のアクセサリーを接続して、好みのデバイスに仕立てることも可能だが、Pixel Tabletは仕事用のタブレットというよりも、家族と共用する家庭用タブレットのようだ。
499ドルというのは、低価格のタブレットではないし、128GBのストレージを備える基本モデルではなく、256GBのモデルを購入する場合は、599ドル(日本では9万2800円)になる。Google純正のPixel Tablet保護ケースも購入する場合は、さらに79ドル(1万2800円)が必要だ。その場合は、AppleのエントリーレベルのiPadよりも高額になる。だが、AmazonのFireタブレットやサムスンの「Galaxy Tab A」シリーズよりも高級な家族向けAndroidタブレットを探しているのであれば、Pixel Tabletが最善の選択肢であるように思える。
GoogleのPixel Tabletは、ほぼ11インチのディスプレイと滑らかなアルミニウムケースを備えており、iPadとよく似た感じになっている。重量は1ポンド強(493g)で、十分快適に持つことができるが、ケースを装着すると、やや重めになる。
画面の解像度は2560×1600ピクセルで、明るく、くっきりした画質を提供する。本体側面のスピーカーは単体でも十分な音質だが、(お察しのとおり)スピーカードックの音質には劣る。
ヘッドホンジャックがないため、USB-Cのヘッドホンかアダプター、またはBluetooth接続が必要になる。電源ボタンには、高速に動作する指紋センサーが内蔵されており、「Pixel」スマートフォンと同じくらい速くPixel Tabletのロックを解除できる。総合的に見ると、Pixel Tabletは、筆者がタブレットに求めているものであり、ドッキングしたときの外観も非常に魅力的だ。全体的なデザインは、「Google Nest Hub」の大型版、または、スマートピクチャーフレームのように感じる。
Google純正の高価なケース(低価格のサードパーティーの選択肢もある)も、とてもよくできており、柔らかい仕上げ、本体を保護するエッジ部分、リング型の金属製キックスタンドを備える。キックスタンドは、任意の角度に調整することが可能で、スピーカーハブにドッキングできる。純正のケースはキーボードケースではないが、デスクで文字を入力したいときは、Bluetoothキーボードを接続することも可能だ。
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