GoogleのタブレットがiPadよりも優れているもう1つの点は、アカウントの切り替えだ。Chromebookのように、Pixel Tabletでも、簡単に別のアカウントを追加したり、他のアカウントに切り替えたりできる。ゲストモードやキッズモードに切り替えることも可能だ。Pixel Tabletの根幹をなす家族での共用というコンセプトがしっかりと反映されており、筆者はこの点を気に入っている。Pixel Tabletがリビングルームで気軽に使用できるデバイスになり、誰かが必要なときに手に取って、何かを調べたり、動画を視聴したり、ゲームをプレイしたりするようになる、というシナリオを容易に想像できる。
Googleが以前、Pixel Slateで目指していたアイデアのいくつかが欠けていることは残念に感じる。Pixel Slateは、Androidの利点を備えたChromebookという趣の製品だった。Pixel Slateでは、キーボードとトラックパッドが重要な標準機能の一部となっていた。今回のPixel TabletはAndroidに重きを置いており、Pixel Slateとは真逆の方向に進んでいる。複数のユーザーによる共用、動画の再生、ゲームのプレイ、アプリの閲覧が可能なタブレットを目指しているが、新しい有用なやり方でキーボードを追加したり、「ChromeOS」風の機能にアクセスしたりする方法について、優れたアイデアを提示できていない。Chromebookが欲しい人は今後もChromebookあるいはノートPCを手に入れたいと思うだろう。Pixel Tabletにキーボードやスタイラスを追加することもできるが、その有用性は他のAndroidタブレットを使用する場合と何ら変わらない。さらに、サムスンやOnePlus、Amazonなどの他のタブレットでは、キーボードアクセサリーがすでに用意されている。あるいは、標準で付属していることさえある。
このタブレットのスマートホーム機能は試さなかったが、Nest Hubと同じように、「Google Home」デバイスやサービスに接続できる。この点は、Pixel Tabletがデバイスとして最もうまく成し遂げている機能であり、Googleが今回、その設計で方向を転換した部分でもある。Pixel Tabletはマイクで音声コマンドを認識し、迅速に応答できる。筆者は音声コマンドですばやく音楽を再生したり、質問をしたり、オーディオブックを再生したり、YouTube動画を起動したりすることができた。筆者の子供たちは、Pixel Tabletで動画を再生できることに気づくと、小型テレビを見るかのように、周りに集まった。ドックに装着すれば本体が浮くことを考えると、Pixel Tabletは、キッチンでの使用にも適しているかもしれない(本体がキッチンカウンターの表面に触れずに済む)。ドックに接続した状態の、少し上向きになっている本体の角度を調整することはできないが、テーブルやカウンターに置いた状態でも簡単に画面を一瞥できた。
Googleには、タブレットへの取り組みをやめないでほしい。今後もPixel Tabletを発展させ続けて、キーボードケースを追加してほしい。価格を少し下げてもいいだろう。ケースを購入し、256GBモデル(基本モデルよりも100ドル高い)の構成を選ぶと、700ドル近く(日本では10万5600円)になる。とはいえ、その価格設定にもかかわらず、これは、おそらくユーザーが求めているGoogleタブレットだろう。唯一の問題は、Googleがそのソフトウェアとパフォーマンスに長期的かつ献身的に取り組むかどうかだ。Googleは製品ライン、特にタブレットに関して、突然方針を転換する傾向がある。だが、Pixel Tabletは、同社のデバイスラインアップに追加された素晴らしい製品であり、スマートフォン以外の完璧な選択肢だ。お願いだから、開発を続けてほしい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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