Motorolaの「razr」シリーズが、また新しくなって戻ってきた。今回は、現在のクラムシェル型折りたたみ式スマートフォンが抱える2つの大きな課題に対処していることが分かる。カバーディスプレイの狭さと高額な価格設定のことだ。
今回Motorolaから発表されたのは、「razr+」と「razr」(2023年版)で、razr+では、本体前面のほぼ全体を占める超大型のカバーディスプレイが採用されている。米国では6月16日に事前予約が始まり、6月23日から999ドル(約13万9000円)で販売される。一方、標準モデルとなるrazr(2023年版)は2023年後半に登場する予定で、価格は明らかにされていない。Motorolaの幹部によると、razrの方がrazr+より大幅に価格が抑えられるといい、折りたたみ式スマートフォンの大半が1000ドル前後かそれ以上の価格に設定されていることを考えると、この発表は注目に値する。欧州など米国以外の市場では、製品名はそれぞれ「razr 40 ultra」「razr 40」となっており、欧州ではrazr 40 ultraが1199ユーロ(約17万9000円)で、発表からすぐに販売が開始されている。
razrとrazr+は、折りたたみ式スマートフォンが進化していることを改めて示している。この形が広く普及するようになった2019年からおよそ4年、Motorolaをはじめとするスマートフォンメーカーは、折りたたみ式デバイスが単にギミック的に斬新なだけでなく、どうすれば実用的になりうるか理解を深めつつある。razr+は有望そうだが、Motorolaにとって、折りたたみ式スマートフォンの市場、ひいてはスマートフォン全般の市場でも優位に立つサムスンとの競合は依然として厳しい。
razr+でまず目立つのは、巨大なカバーディスプレイだ。3.6インチなので、仕様上では10年以上前の「iPhone 4」のディスプレイより大きいことになる。
カバーディスプレイには、時刻を確かめたり通知を読んだりする以上の用途が想定されており、アプリの操作はもちろん、フルキーボードを使った入力までできる。短い試用期間に、筆者はrazr+で「Googleマップ」の検索バーに地名を入力したり、「Gmail」でメッセージの下書きを書き始めたりした。本体を開かずに「TikTok」のフィードを閲覧することさえ可能で、TikTokが縦長フォーマットであることを踏まえると、これは驚きだ。
メールを読むときやSNSを閲覧するときには、本体内部の6.9インチディスプレイを使うだろうが、カバーディスプレイで使える機能が増えるのはうれしい。「Galaxy Z Flip4」などのデバイスでは、時刻と日付、カレンダーといった情報を見られるくらいで、razr+のようにアプリのフル機能を使うことはできないので、それよりはるかに実用性が高い。
カバーディスプレイからメインの内部ディスプレイに切り替えたときにアプリの動作をそのまま引き継ぐという機能もある。逆に内部ディスプレイでアプリを開いてから本体を閉じた場合は、カバーディスプレイにボタンが表示され、同じアプリを再度開くかどうかの選択肢が提示される。
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