Motorolaはまた、前面と背面にCorningの「Gorilla Glass Victus」を採用した。防塵・防水性能はIP52等級で、Motorolaによれば水を弾くレベルだ。国際電気標準会議のウェブサイトでは、筐体を特定の角度まで傾けても、垂直に落ちる水滴に対する保護を提供する、と規定されている。大半のフラッグシップスマートフォンはIP67以上の等級だが、razr+にとって最大のライバルであるGalaxy Z Flip4はIPX8等級で、一定の時間水中に沈めても影響を受けないが、防塵機能は備えていない。今回のrazrは隙間のないヒンジも採用しているので、「Google Pixel Fold」と同様、折りたたむと完全に閉じることができる。
標準モデルのrazrもrazr+と似ているが、大きな違いがある。カバーディスプレイが大幅に小さく、razr+の3.6インチと比べて1.5インチしかない。また、搭載しているのは「Snapdragon 7 Gen 1」で、これはお手頃価格のデバイスで上位機能を実現できるように設計されたプロセッサーだ。メインカメラは、razr+の12メガピクセルに対して64メガピクセルだが、Motorolaによるとレンズの口径が違うため暗いところではrazr+の方が良い写真が撮れるという。その他、13メガピクセルの超広角カメラと、32メガピクセルの自撮り用カメラも搭載する。
どちらのモデルも、30Wの有線充電と5Wの無線充電に対応している。ただし、バッテリーはrazr+の3800mAhに対して4200mAhと、razrの方が大容量だ。また、OSのアップグレードについては両モデルとも3年間の保証があり、これはGoogleのスマートフォンとは同等だが、4世代分の保証をうたう一部のサムスン製品より短くなっている。
だが、標準モデルのrazrで特筆すべきは、やはり何といっても1000ドルを切る価格だろう。Motorolaも、他社のミッドレンジモデルで見られるパターンを踏襲しているように見える。つまり、お手頃価格モデルではカメラとバッテリー容量に力を入れる一方、画面サイズやプロセッサーなど、生産性やゲーミングを前提に性能向上を図る他の機能は抑えるという方向性だ。
総論として、新しいrazrシリーズは、折りたたみ式がようやくスマートフォン市場で地位を確立し始めた可能性を示している。2022年の時点で、折りたたみ式スマートフォンがスマートフォン市場全体に占める割合は微々たるものだったが(IDCによると、全出荷数の1.2%)、少なくともテクノロジー企業各社は、折りたたみ画面の活用について、より創造的に考えるようになってきた。
Motorolaの場合は、その傾向がrazr+のカメラ機能や汎用性の高いカバーディスプレイに表れており、Googleは、Pixel Foldの2画面で「Google翻訳」を使う新しい機能を披露している。
大型化したカバーディスプレイが、折りたたみ式スマートフォンには相応の価値があると思わせるほどのものかどうかは、もっと長くrazr+を使ってみないと判断できないだろう。だが、サムスンにとっては、例年どおりなら8月になる見込みのGalaxy Z Flipと「Galaxy Z Fold」の次期モデル発表を前に、競争が激化することが必至だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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