●小南藤枝氏(衣笠屋)「シン・ゴハン『まあるいご飯のおやつ』」
特別賞に輝いた衣笠屋の小南藤枝氏は、「米の消費量低下」と「貧困層の子供の栄養不良」という2つの課題に対する解決策としてシン・ゴハンを提案した。
「菓子パンやおにぎりと同じ価格で、それより栄養バランスの良い食品を作りたいと思って研究開発を続け、完成させた。栄養バランスの良いこの食品を食べることで体の健康だけでなく心の健康にも役立つ。日々の暮らしに心を傾け、勉強に集中できる環境が将来の生活を安定させて、貧困から脱却できる」(小南氏)
まあるいご飯のおやつは、焼いたご飯と具材を重ねたものを薄い外皮で覆ったものだ。
「大きな特徴はご飯をミルフィーユのように重ねてあることと、全体を外皮で覆ってあることだ。冷凍しても味が変わらないため、長期保存が可能で、フードロスをなくす観点からとてもサステナブルだ」(小南氏)
まあるいご飯のおやつは2014年に特許を取得し(特許5568168)し、2017年には商標登録も行っている(登録5966586)。Instagramでのマーケティングもスタートしており、試食した人からは「香ばしさがあり美味しかったなどの良い評価をいただいた」と小南氏は語る。
まあるいご飯のおやつはタンパク質も多様な野菜も1個でバランスよく摂取でき、「おにぎりやサンドイッチに比較して特に優位性が高い」と小南氏は説明する。
「おいしい、体に優しい、子供や未来の地球に優しいまあるいご飯のおやつは、お寿司やライスボールのように世界の米食を変える」と小南氏は自信を見せた。
発表会では審査員を務めた、フードテック関連カンファレンス「SKS JAPAN」を主催するシグマクシス常務執行役員の田中宏隆氏が「実際にこういう商品が世の中に出たらすごく幸せになると感じた」と講評した。
「まあるいご飯のおやつのすごいところは、多用途であるということ。今の世界のフードテックのカンファレンスに行くと、その多くがマルチパーパス、つまり多用途だ。1対1のソリューションの提供ではなく、いろいろな状況やいろいろな方々、課題を一気に解決できる。お米農家や食べ物にアクセスできない子ども、将来的には健康のニーズやパーソナライゼーション、災害対応など、まあるいご飯のおやつはおやつを超えて、とんでもないものに変わると思っている」(田中氏)
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