我が子の日常をSNSでシェアする「シェアレント」--児童労働や心身の危険への批判も - (page 2)

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年08月17日 07時30分

 「子どものことをオンラインで共有するとき、親は門番の役目を担う。つまり子どもの個人情報を保護する責任者であり、同時にその門を開く立場でもある」 。フロリダ大学の法律学教授で、「Growing Up Shared」の著者でもあるStacey Steinberg氏はこう話している。門を開く立場として、「親は、オンラインで情報を共有することによって、社会的に、そしておそらくは金銭的にも利益を得ている」

 実際、門番の役目を忘れて門を開け放ち、見知らぬインターネットユーザーが無条件で出入りするのを許している親もいる。そして、実際に自由な出入りが続いている。

シェアレントの実例

 Mollieさんは、ダンサーおよびモデル志望で、Instagramでは12万2000人のフォロワーがいる。年齢は不詳だが、おそらく11~13歳とみられ、同SNSの年齢要件を下回る可能性が高い。Mollieさんのアカウントは父親のChrisさんが管理しており、Mollieさんのプロフィールには父親のアカウントがリンクされている。つまり、Instagramのポリシーに従っているということだ(Chrisさんから、コメントは得られなかった)。

 Instagramでは、わざわざ探し回らなくても、Mollieさんのようなアカウントはすぐに見つかる。大の大人が、中学以前の女子の画像に堂々と性的な目を向けているのだ。13歳に満たず、自分のアカウントを持てないために親が管理しているダンサーや体操選手の一般向けアカウントは、数千に及ぶ(プライバシー保護のため、本記事ではMollieさん、そしてメディアにこれまでに登場したことのない他の未成年者についても、身元は明かさない。またMollieは本名ではない)。

 親が使うこうしたアカウントには、数万、ときには十万単位のフォロワーが付くこともあり、親はそこに娘のプロフィール写真をアップする。ビキニやレオタードを着用し、身体のしなやかさを誇示するポーズをとった写真だ。コメント欄が、性的な書き込みであふれることも少なくない。数人の少女がビキニ姿で写っているあるグループ写真には、下品な一言が書かれていた。「乱交パーティー」と。

 注目度の高い投稿については、コメントを制限して被害を抑えようとする親もいる。あるダンサーのアカウントを運用している親は、定期的な投稿を休止して、パステルカラーの図を投稿し、アカウントのフォロワーを定期的に確認するよう他の親に呼びかけていた。そのキャプションにはこう書かれている。「好きなダンス写真家の方々がフォロワーの整理について書いていたストーリーや投稿をいくつも見て、私も時間をとって整理してみた。フォロワーと称する変態の多さに唖然とした」

 だが、「整理する」というのは、好ましくないフォロワーを遠ざけるために、モグラたたきゲームを無限に続けるようなものだ。しかも、写真を見るために公開アカウントをフォローしている必要はないという事実も無視されている。子どもの写真は、ファンやアグリゲーターのアカウントでたびたび再投稿され、親にはそれをコントロールする術はないし、ハッシュタグやInstagramの検出アルゴリズムを通じてさらに拡散されることもある。

 分かりきったことだが、公に投稿されたコンテンツは、誰でも自由に手に入れられる。「いったん公の場に出てしまったものを、実効的に囲い込むことは、不可能ではないとしても、極めて困難だ」。こう語るのは、「Sharenthood」の著者であり、ハーバード・ロー・スクールの教員でもあるLeah Plunkett氏だ。

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