我が子の日常をSNSでシェアする「シェアレント」--児童労働や心身の危険への批判も - (page 3)

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年08月17日 07時30分

 TikTokの@wren.eleanorというアカウントをめぐる現在の展開も、その中心にはこの問題がある。Wrenちゃんは、ブロンド髪で愛らしい3歳の女の子で、1730万人のフォロワーがいるそのアカウントは、母親のJacquelynさんが管理している。母親が投稿する内容のほとんどが娘の動画だ。

 このアカウントを見て懸念を抱いた第三者が、危険なコメントと思えるものについてJacquelynさんに注意喚起した。水着姿のWrenちゃんが、タンポンを挿入するまねごとをしたり、いろいろな食べ物を口にしたりしている動画についても警告した。これらは他のコンテンツより再生数が多く、「いいね」や保存数も多かったという。警告にもかかわらず投稿をやめようとしないJacquelynさんは、Wrenちゃんの安全よりアカウントからの収益を優先しているのだ、と警告者は主張している。Jacquelynさんには、数度にわたってコメントを求めたが、回答は得られなかった。

 2021年に米連邦捜査局(FBI)が実施したあるキャンペーンによると、オンラインには毎日50万人の性的捕食者がいると推測されている。しかも、これは米国だけでの数字だ。現在のSNSでは、子どもの搾取を当て込んだデジタルマーケットが成長しつつある、とPlunkett氏は話す。同氏は、どうすべきかを他の親に指示したくはないが、意識はしてほしい、としている。「子どもについて投稿するコンテンツは、それがどんなに純粋な動機からだったとしても、極めて高い確率で悪用され、そうしたマーケットに流れるという、非常に現実的で差し迫った脅威」が存在するのだという。

世間知らずか、搾取か

 親自身がインフルエンサーとしてブログの世界に足を踏み入れた10年前には、SNS業界も搾取の度合いが今とは違ったと、Crystal Abidin氏は述べている。Abidin氏は、オーストラリアのカーティン大学でインターネット文化を研究している教員だ。キッズインフルエンサー界のルーツをたどっていくと、その親、大抵は母親が、他の親に接触してつながっているという。「始まりは、そうした親世代インフルエンサーがお互いのことを気にかけて集まる場だった」(Abidin氏)

 時間とともに、この業界も変化を遂げ、広告収益の発生や新しい市場の形成に伴って、中心は子どもたちへと移っていった。

 リスクに関する教育が追いついていない。バンクーバー在住の母親で、@mom.unchartedというTikTokアカウントを運営しているSarah Adamsさんのような人々が、こうしたリスクについて自ら警鐘を鳴らしているのも、それが理由だ。「私の最終的な目標は、ただ親たちに、ちょっと立ち止まって、シェアレントの現状について振り返ってもらうことだ」

 一方、Mom Unchartedアカウントを運営しているAdamsさんは、もっと広範囲な非公式の監視グループの一員でもある。インターネット上の母親と子どもの安全性を考えるエキスパートのグループであり、一部の親が、ときには意図して、自らの子どもをオンラインで搾取しているという、不快な問題にたびたび光を当てている。

 Adamsさんらが明らかにした厄介な行動を見てみると、問題は単に親が世間知らずなだけではない場合があるという。具体的には、自分たちの子どもを扱ったコンテンツに対する「特別」なアクセス権あるいは「VIP」のアクセス権を買ってもらえるサービスに登録し、そのサービスを宣伝している場合だ。

 Adamsさんが見つけた、親の管理するSNSアカウントの中には、「SelectSets」というサイトにリンクしているものがあった。子どもの写真をセットにして販売できるサイトだ。あるアカウントでは、「2人の小さなお姫様」というタイトルでセットが売られていた。SelectSetsは、そのサービスを、インフルエンサーがコンテンツを収益化できる、「しゃれた、プロフェッショナル向け」のオプションであり、「他のプラットフォームのように汚名を着ることもない」と説明していた。

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